05/24の日記

00:10
【BL週記】韓国性少数者の“いま”―――2017年大統領選と、その後

---------------
.




 
ソウル・クィア・パレード 2015    






こむばんわ(^。^)y





 さいきん韓国で大統領選挙が行われて、「ともに民主党」候補の文在寅氏が圧勝、大きな政局転換がありましたが、

 選挙運動の過程で、同性愛に関する政策問題が浮上、投票の動向にも影響を与えたようです。今夜は、その一部始終をおさらいしてみたいと思います。



     ◇     ◇




 まず、韓国社会での同性愛者を含めた性少数者(性マイノリティ。以下、この記事では「性少数者」という同国での呼称を使用します)の現状について概略見ておきますと、

 同性婚、差別禁止といった法的改革に関しては、日本と同じで、現時点では何等の立法化も行なわれていません。同性愛者以外の性少数者に関しては、日本より進展が遅く、戸籍変更などの法的手当てもまだありません。

 数年前のことですが、韓国のゲイと交流している友人から聞いたところでは、韓国人に、ゲイなのかどうかを確かめるときには、


「あなたの嗜好(mat)は何ですか?」


 と聞かなければならない。「嗜好」は「志向」の言い換えではありません。韓国語ではコトバが違います。「嗜好」とは文字通り「あじ。好み」です。

 つまり、韓国では(少なくとも当時は)同性に対する愛、恋愛などということは、決して許されることではない。あくまでも、肉体的愉しみとして、趣味の問題として尋ねなければならないのだと。

 “肉の趣味”として同性が好みだなどと告白することは、儒教思想の強く残っている韓国社会で、決して褒められる自認ではないと思うのですが、

 同性愛者=人間失格者だと見られるよりは、ずっとよいのでしょう。。。



 ここ数年の間に、韓国でも急速に同性愛者をはじめとするLGBTの自己主張が盛り上がってきたように見えます。それはおそらく、ほかの社会問題と同様の理由:@日本よりも権利主張に抵抗がなく、一般の人も街頭に出る傾向が強いこと、A西欧の価値観が、日本のような自国の“伝統”に邪魔されることなく、スムースに受け入れられる傾向があること、によるものだと思います。

 しかしそれでも、性少数者の問題に関しては、ほかの社会問題よりも韓国社会の抵抗が強いように思われるのです。

 意外に強い抵抗に遭遇しているのは、性少数者だけではなく、ジェンダー一般だという気がします。今回触れることはできませんが、大統領選を前後して、性少数者と並行して女性の権利平等、女性差別の禁止を求める声(街頭デモなど)が非常に強くなっています。それだけ、女性差別がまだ強固なのだと思います。






ソウル・プライド・パレード 2016
道いっぱい埋めつくした参加者たち。

機動隊の実力で道路の片側のへりに寄せられて
しまう日本のパレードとの違いを見よ。






 つぎに、今年の大統領選までの経過を復習します。

 韓国では、2003-2008年の民主党・盧武鉉政権のあと、李明博大統領、朴槿恵大統領の保守党(ハンナラ党→セヌリ党→自由韓国党)政権が続きました。

 その間に、保守党政権のもとでマスコミに対する国家統制が進み、批判的言論が封じられるなかで、朴槿恵の父・朴正熙(1963-1979:大統領)の代からつきあいのある新興宗教教団(崔順実一家)による国政介入が強く批判されるようになり、大統領が各財閥トップに崔順実のトンネル財団への多額の寄付を強要したことなどが暴露され(韓国では贈収賄と認定される)、朴槿恵大統領は弾劾罷免されました。

 しかし、日本のニュースで大きく報道されている↑これらの問題よりも、ギトンの見るところでは、朴槿恵政権と安倍政権の間で昨年3月に締結された元慰安婦に関する「日韓合意」が、韓国民を大きく失望させたのだと思います。韓国民の間で政治的信条の如何を問わずに、保守層まで含めて最も批判が多いのは、この「日韓合意」だからです。(この「合意」の締結自体、崔順実に機密書類を見せて“お告げ”を受けた結果だったと言われるほどです)

 そして、ここでも韓国民の眼には、朴槿恵の背後に父・朴正熙の姿が大きく映っているのだと思います。1965年、日本からの有償・無償合計3億ドルの援助と引き換えに植民地問題に関する一切の主張をしないと約した「日韓条約」(及び「日韓請求権協定」など附属諸協定)は、当時朴政権の独裁的な抑圧とあいまって、韓国民のあいだに深い傷痕を残しています。

 ギトンは、これまで何度か韓国で、国会議員が国民集会でこの条約について弁明するのを聞いていますが、政治家としては左右を問わず、“当時としては、やむをえなかったのだ”と言い訳する以外に宥めようがないのが現実です。

 2016年の「日韓合意」は、この条約とあまりにも似ており、しかも日本が供与を約した資金額は、現在の韓国のGNPを考慮すればあまりにも低額であり、韓国が約した「今後いっさい主張しない」は、1965年と比べても、より厳格です。

 軍事独裁政権から出立した朴正熙政権は、国民の自由を徹底的に抑圧した暗黒面の一方で、朝鮮戦争の傷跡と貧困にあえいでいた韓国をテイク・オフ(離陸)させた奇跡的復興の恩人としての輝かしい面があります。

 朴槿恵を圧倒的得票で大統領にしたのが“父の威光”ならば、彼女を弾劾に転落させたのも、やはり“父の亡霊”だったのではないでしょうか?




     ◇     ◇




 ここで本題に入ります。

 今年5月9日の大統領選挙で当選した文在寅候補の「ともに民主党」は、金大中大統領からの流れを引いており、朴正熙大統領とは真っ向から対立してきた韓国民主化運動の主流であると言えます。

 文在寅氏は、もと人権弁護士でしたが、金大中に死去の2か月前に呼び出され、「必ず政権交代を果たしてほしい。」と遺言されたことから政界入りを決意したといいます。

 昨年秋からソウル大統領府前など各地で行われた大規模集会(ロウソク集会)を受けて、朴大統領退陣を求める中心となったのは、野党第1党の「ともに民主党」であり、文在寅議員(当時)は、10月から今年3月の弾劾決定まで、ソウルの集会には毎回参加しています。

 この「ろうそく集会」(キャンドル・デモ)で、参加した性少数者の自己主張がクローズアップされたのは、今年2月のことだったようです。きっかけは、文在寅氏が性少数者の人権問題に後ろ向きの発言を繰り返したためと報じられています:




「野党圏の有力大統領候補である共に民主党の文在寅元代表が連日性少数者人権問題について 後退した立場を表明し、性少数者の批判も激しかった。

 一部の集会で公演を披露した韓国ゲイ人権運動団体チングサイの合唱小サークル『Gボイス』は、

 『大統領選挙の有力候補が性的指向が違っても差別されてはならないという差別禁止法に反対し、 性少数者の人権保護に反対する集団を訪問して頭を下げて票をねだっている』

 と批判した。 彼らは

 『一票でも得ようと信念を売り少数者を無視する指導者は、出てきてほしくない』

 と力説した。」

⇒:レイバーネット「16次キャンドル…戦う労働者、性少数者がマイクをつかむ」2017.02.18


 【関連】⇒:「10年間後まわしの差別禁止法…文在寅議論で制定運動触発 200余団体が連帯」2.23.


 つまり、ここで性少数者団体は、野党や文在寅候補が、一般の支持を減らすことを恐れて性少数者の権利に後ろ向きの姿勢を取っていると批判しているわけです。

 しかし、↓このあとで見るように、文在寅氏らの姿勢は、選挙めあての大衆迎合に見えるとしても、それは結果であって、むしろ彼ら自身の生活感覚において、性少数者に対する理解が欠けていることによる面が大きいように思われるです。






 
   ソウル・プライド・パレード 2016
   この年は、一般からの情緒的な批判
   も多かったという。






 
 4月の選挙運動の渦中で、文在寅候補と、彼を批判するLGBT人権団体との葛藤は、いっそう拡大してゆくことになります。

 その対立が衆目の前で演じられたのは、大統領候補のテレビ討論番組で、文候補が、LGBTに批判的(嫌悪的?)な発言をしたのがきっかけでした。(文候補は、この討論で、LGBTに対する「差別はあってはならない」とも発言しているのですが‥)

 ↓この発言の翌日、国会議事堂前での青空記者会見に現れた文在寅候補に、性少数者活動家数名が走り寄って、「私の存在を否定するのか」など抗議、警備に拘束され警察に引き渡される事件がありました。




「韓国大統領選で4月25日、JTBC(中央日報系列のケーブルテレビ向けの放送局)主催の大統領選討論会があった。革新系最大野党『共に民主党』候補の文在寅氏が同性愛について問われ、『反対する』と発言したことが波紋を広げている。

 軍人権センターの告発で陸軍当局が軍隊内の同性愛者の捜索や刑事処罰を指示したことが明らかとなり、現在、韓国では同性愛をめぐる議論が白熱している。討論会でも候補者から様々な意見が出された。

 旧セヌリ党の与党『自由韓国党』候補・洪準杓氏は『軍の同性愛が極めて深刻だ』と指摘し、文在寅氏に対し『同性愛は国防の弱体化につながる。同性愛に反対なのか?』と尋ね、文氏はこう答えた。」

⇒:ハフィントン・ポスト



 洪氏「軍の同性愛が極めて深刻だ。軍での同性愛は国防力を弱める。あなたはどう思いますか。」

 文氏「はい、そう思います」

 洪氏「それで? 同性愛に反対ですか?」

 文氏「反対しますよ」

 洪氏「反対するんですか」

 文氏「もちろんです」

 洪氏「ですが、朴元淳・ソウル市長は同性愛パーティーもソウルのそこの前でやっているけど。ソウル市庁前で」

 文氏「ソウル広場を使用する権利で、差別はしないということでしょう。差別を禁止するのと、同性愛を認めるのは同じことですか?」

 洪氏「いや、国会に提出された差別禁止法というのは事実上、同性愛許容法なんですよ。民主党が提出した差別禁止法がありますが…」

 文氏「差別禁止と合法化とを区別できないんですか」

 洪氏「いや合法化ではなく…同性愛にははっきり反対するんですね」

 文氏「まぁ好きではありません」

 洪氏「いや、好きとかじゃなく、賛成するか反対するか聞いているんですが」

 文氏「合法化に賛成しません」







ソウル、光化門前での第16次ろうそく集会 2017.2.18.







 あたかも、同性愛を許容するのか、断固として排除するのかが、踏み絵のようになっている議論の構図↑に、私たちは大きな異和感を覚えるのですが、それはひとつには、日本と異なって徴兵制が敷かれている韓国では、軍刑法によって同性性行為の禁止処罰が規定されていることによります。




   軍刑法 [2014.1.14.一部改訂施行 法律第12232号]


第1条 @この法律は、この法律の規定する罪を犯した大韓民国軍人に適用される。

 A第1項において「軍人」とは、現役に服務する将校、準士官、副士官、及び兵をいう。但し、転換服務中の兵を除く。

 B次の各号の一に該当する者に対しては、軍人に準じて、この法律を適用する。

  1. 軍務員

  2. 軍籍を持つ軍の学校の学生・生徒、士官候補生・副士官候補生、及び「兵役法」第57条による軍籍を持つ在營中の学生

  3. 召集されて実役に服務している予備役・補充役、及び第2国民役の軍人
(以下略)



第92条の6(醜行) 第1条第1項から第3項までに規定された者に対して、肛門性交その他の醜行をなした者は、2年以下の懲役に処する。(2009.11.2.本条新設 2013.4.5.改訂)




군형법
[시행 2014.1.14.] [법률 제12232호, 2014.1.14., 일부개정]


제1조(적용대상자) @ 이 법은 이 법에 규정된 죄를 범한 대한민국 군인에게 적용한다.
A 제1항에서 "군인"이란 현역에 복무하는 장교, 준사관, 부사관 및 병(兵)을 말한다. 다만, 전환복무(轉換服務) 중인 병은 제외한다.
B 다음 각 호의 어느 하나에 해당하는 사람에 대하여는 군인에 준하여 이 법을 적용한다.
1. 군무원
2. 군적(軍籍)을 가진 군(軍)의 학교의 학생·생도와 사관후보생·부사관후보생 및 「병역법」 제57조에 따른 군적을 가지는 재영(在營) 중인 학생
3. 소집되어 실역(實役)에 복무하고 있는 예비역·보충역 및 제2국민역인 군인
(以下略)


제92조의6(추행) 제1조제1항부터 제3항까지에 규정된 사람에 대하여 항문성교나 그 밖의 추행을 한 사람은 2년 이하의 징역에 처한다. <개정 2013.4.5.>
[본조신설 2009.11.2.]
[제92조의5에서 이동, 종전 제92조의6은 제92조의7로 이동 <2013.4.5.>]




     ◇     ◇






 上記のテレビ討論、また発言に対するLGBTからのプロテストを受けて文在寅候補が発表した弁明文などを見ますと、候補の議論で主に念頭に置かれているのは、勤務中の兵営内部(「内務班」など)での同性性行為であるようです。

 本来、軍隊は性行為をしてはならない場所であり、そのために男女の混居を禁じているのに、同性同士で性行為をするようになれば、規律が乱れ、“女性的”な風潮が蔓延して、軍隊が弱くなる―――という論理です。(それ自体、議論の余地がありますが‥)

 しかし、軍刑法が禁止しているのは「軍人」同士の性行為すべてであり、恋人関係にある「軍人」同士が、休暇中に兵営外で“まったり・いちゃいちゃ”することをも禁止処罰しているのです。

 これでは、同年齢のゲイカップルが兵役に服するときには(同時になる可能性が高い)、関係を解消するほかはなく、将校や下士官の若い恋人が兵役に服する場合なども同様のことになります。

 韓国の同性愛者たちが、この法律は“われわれの存在を否定するものだ”と言っているのは、決して誇張ではないことがわかります。




 【参考】⇒:同性愛者の軍人を探し出すため、韓国陸軍が特別捜査 NGOが暴露(ハフィントン・ポスト)









 
シム・サンジョン氏とムン・ジェイン(文在寅)氏 






 さて、上記のテレビ討論で、ひとつ大きな救いだったのは、文・洪両候補の議論を聞いていた正義党の沈相奵(シム・サンジョン)候補が、↓つぎのように発言したことでした:






「私は、同性愛は賛成とか反対とか言える問題ではないと見ています。性アイデンティティは文字通りアイデンティティなのです。

 私は異性愛者ですが、性少数者たちの人権と、また自由が尊重されなければならないと考えます。それが民主主義の国家であります」





 この発言の影響もあってか、シム・サンジョン候補は、前回大統領選での正義党の得票率(約3%)の2倍を超える票を得ています。



 しかし、大統領選で、シム・サンジョン候補を応援した性少数者たちは、選挙の結果に大きな打撃を受けたようでした。開票後に、そんなツイートが多く見かけられました。また、一部には、文在寅政権支持への転向を表明するツイートも見られています。



 外から見ている私たちには、シム・サンジョン候補の当選は、最初から無理なことで、むしろここで得票率を上げて発言権を増し、選挙後の体制の中で権利拡張を図ってゆくのが賢い戦略に思えるのですが、‥そんな偉そうに、ひとの国のことなど、言ってはいられない気もします。

 日本でも、どういうわけか、ゲイの多くは政治に不慣れなのか、ゲイを代表するような候補が出ると短兵急になりすぎるきらいがあります。しばらくまえ、参議院選挙だったかな、そういうことがあって、当選しなかったときの彼らの落胆のしようと言ったら‥ あきれてしまいましたw

 政治に限らず、どんな運動にも粘り強さが必要で、一度でダメなら2度、3度、挑戦する気構えが持てないくらいなら、最初から何もしなければよいのです。

 ふだん自分らの権利を主張もしないで、他人の脚ばっかり引っ張って、ネトウヨばかりやっていた人たちが、急に政治に足をつっこんだとたんに、このざまですからねw

 まぁ‥もしかすると韓国でも似た事情があるかもしれませんね…




 さて、韓国での選挙後のツイートを、すこし拾ってみます(いずれも原文はハングル):





「軍刑法92条の6(軍人の同性性行為禁止)廃止の発議、国会議員300名中、参加は10名たらず。」
(5.18.tweet.)

@emotionalboy83
군형법 92조의 6 폐지를 발의 하는데 300명 국회의원중에 발의할 의원 10명이 없어서 난항을 겪고 있다고 합니다.




「正義党共同代表が記者会見『懲役2年を求刑されたA大尉の無罪(判決)を嘆願した』『軍刑法92条の6(軍人兵士の同性性行為禁止)は違憲的であり、廃止は当然だ」
(@rainbowjinbo 5.20.tweet.)

 【関連】⇒:「愛に罪はない」…同性愛者陸軍大尉「無罪釈放」嘆願書に4万人が賛同




「文在寅大統領 の『同性愛には反対だ』発言以来、彼の支持者たちは、まるで息をするようにしょっちゅう嫌悪発言をするようになって、ほんとうに堪えがたい。文在寅は朝の国政ブリーフィングで『支持者のみなさん、パンツを下ろすのはやめましょう』とひとこと言ってもらいたい」
(5.20.tweet.削除済みのため ID 非表示)
















 [@emotionalboy83,2017.5.22.tweet.]

「2009年冬、釜山で起きた事件です。当時17際の同性愛者だった男子学生が自ら命を絶ったのです。彼のクラスの学生たちは、彼が女性のような行動をすると言って締め出したが、その学校の教師たちは、これを深刻に考えようとはしなかったのです。

 その学生は、自殺のしばらく前に心理検査も受けたのですが、その検査結果は、深刻な憂鬱症と激甚な自殺衝動、不満状態が見られることを明らかにしていますが、担任教師はこのことを学生の両親には説明したことがなく、その学校では誰ひとり何らかの措置をとろうとはしませんでした。

 この話はこれで終ったのではありません。その学生の死後に、さらに大きな悲劇が引きおこされました。子どもを喪った両親は、裁判所に学校を訴えました。放置によって子どもの死をまねいた学校と教師たちに損害賠償を請求したのです。

 この訴訟で釜山地方裁判所は、子供を亡くした両親の訴えを認めました。しかし、その判決は大法院(最高裁)で覆されました。

 大法院は、学生の自殺のきっかけが『クラスの学生たちの嘲弄、非難、いやがらせ、疎外等にも起因』したことは認めたが、『そのような行為は非常に頻繁ではなかった』とし、『行為の態様も暴力的な方法ではない嘲弄、非難等によるものが主であった』から

 これを、社会通念上許容することのできない悪質重大な集団的いじめに至る程度のものと見ることは難しく、さらに、『学生は自殺をほのめかすメモを作成してはいるものの、この事件事故の頃に、自殺を予想できるだけの特異な行動をしたことはなく

 学生は日曜日に家出し、翌日は登校せず彷徨したあと、その日22時ころ自宅地下室で自殺した』のだが、『この事件事故の発生当時、担任教師において、彼の自殺に対する予見可能性があったと認めることは難しい』と判示しました。

 大法院・第3部 2013年7月26日宣告 第2013(た)203215号事件
裁判官 イ・インブク(裁判長)、ミン・イリョン、パク・ポヨン、キム・シル(主審)

 “優雅な嫌悪”が幅をきかせている最近の日常の中で、青少年性少数者たちは、どう過ごしているのだろうか。私はしばしば心配になる時があります。

 そのような渦中において、青少年の性的自己決定権、多様な家族形態、および性少数者に関しては、それらは教育内容には含まれないとの学校性教育標準案(指導要領)なるものがあるのだ。どの学校にも厳然として存在する性少数者を、削除してしまう教育。

 もし、学校のなかで、多くの学生が、(性少数者についても理解させる)まっとうな性教育を受け、性少数者の存在を認知したならば、性少数者たちがその存在自体を理由に学校暴力の犠牲となる可能性が減るのではないでしょうか?

 そこで、まっとうな性教育とは言えない性少数者の存在を削除する差別的性教育標準案を廃止できるように、署名をつのるキャンペインを進めています。

 性少数者の存在が否定されたり侮辱を受けたりしないですむような学校(にする)ために、まっとうな性教育のために、ぜひこの署名に参加してください。

 『国家水準の学校性教育標準案』を廃棄し、人権と性平等の観点から包括的性教育を実施せよ!『国家水準の学校性教育標準案』廃止のための1万人署名キャンペインを、ともにしよう!」






 学校でLGBTの置かれた状態の深刻さは、日本と変らない、あるいは日本以上の場合があるかもしれません。韓国の学校での規律は、全体として日本より厳しいと思われるからです。

 “権利”“平等”“差別禁止”といったようなことは、いわば「枠(わく)」でして、枠を整えることも大切ですが、肝心なのはその中身です。日本や韓国よりもずっと整えられた「枠」があるように見えるアメリカでも、じっさいに学校などでの差別は、日本以上に深刻なケースが報道されています。

 日本のLGBTや、その運動が、「枠」の要求よりも中身を重視する傾向を持っているのは、よいことだと思います。同性婚の法制化への道がなかなか進まないからといって、失望する必要も焦る必要もないとギトンは思っています。今回、韓国の状況を知ることによって、その思いはむしろいっそう強くなりました。

 彼らには彼らの、我らには我らの行き方がある。

 韓国の今年のパレードは、7月半ばに予定されているそうです。「枠」の主張をも臆せず行なう彼らの運動が、どんな展開を見せてくれるか、期待して見守ろうではありませんか。。。









ばいみ〜 ミ



 
ランキングへ  

.
カテゴリ: BL週記

前へ|次へ

コメントを書く
日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ