03/20の日記

15:37
【BL週記】 ★ さいごの“グラース・ペルレン・シュピーラー”

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 こんばんは。(º.-)☆ノ



 ヘルマン・ヘッセの同名の詩に刺激されて書いてみた‥‥ものの、ヘッセなどには遠く及ばない、おまけに腐れたシロモノです。

 アメーバに出るのは、ほかの記事のあとになるので、《こーゆー記》に先に出すことにしました。













   ★ さいごの硝子玉遊者
(グラース・ペルレン・シュピーラー)たち


 インド洋に面した真夏の草原
 真緑
(まみどり)の天鵞絨(ビロード)の卓を裸の少年たちが囲む
 瘠せた頬と眼が光る;透きとおった小さな硝子玉
(グラース・ペルレン)の戯れ
 少年たちの指先よりも小さな青白い珠
(たま)
 さそりの紅い眼玉、ぬばたまの深菫色
(すみれいろ)
 ひとりの少年が屈
(かが)んで珠を撃つ
 天井に光の浪がゆれビロードの上を珠が流れる
 そらのどこかでカタッと響く音
 草原をみたす銀の細流
 傾くことのない白い日が
 コロナの照りかえしを浴びている。

 珠と珠とはぶつかり、また遠ざかり
 また近づいて、共振する
 珠と珠がふるえあう
 少年たちの精液
 触れる指先のしずく
 紅みをはらんだ胸
(むな)先の小さな粒と舌の先
 舌先のしずく、珠と珠とはぶつかり。



 



 人びとが愛について語る真昼の浜辺
 その声は遠く聞こえ、ぼくたちは関心をもたない
 浪のおとは遠く、風のうなりは高く
 砂けぶりは、太古の海底に棲む生きものの破砕物
 ぼくたちのくちびるは迦葉仏
(かしょうぶつ)の世を生きる;
 汀
(みぎわ)を歩む人は、水彩で描かれた幽霊のよう
 横臥
(よこたわ)ってもつれる裸体に、やさしい人びとは気づかない
 かぐわしい汗、中天の熱い泉、あなたがたはきっと
 ぼくたちをいつか誇りに思って迎えることだろう。

 そらのどこかでカタッと音がして
 硝子の粒たちが流れる
 伸びきった皮の先で雫
(しずく)がひかる
 陽の落ちた浜辺をそぞろ歩む人びとは
 見えない垣根をめぐらして愛を語る
 自らの眼をもふさいで愛を語る
 愛とはなにものでもないのに
 誰にも妨げられぬ愛などないのに:
 
 青い天鵞絨
(ビロード)の上で戯れる
 硝子珠遊者
(グラース・ペルレン・シュピーラー)たち
 ぼくたちにとってその遊戯
(シュピール)
 愛である前に確信であり
 確信である前に真理なのだった
 鏡のなかのきみはぼく
 鏡のなかのぼくはきみ
 時間のない鏡の空間
(ラウム)にたたずむ少年たち
 手をとりあう少年たち
 かれらは一人
 ひとつの鏡映とふたつのこころ
 こちら側できみとぼくが一人であるのとおなじように――
















ばいみ〜 ミ



 
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カテゴリ: BL週記

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