06/27の日記

02:27
【ホブズボーム】読み返してみたい‥

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 おばんでございますっ(^.^)/




どーゆー風の吹き回しだか‥


↓こちらのエアランキングで、『あ〜いえばこーゆー記』の順位が急に上がっちゃいました...




小説・詩ランキング



バナーはたくさん貼り付けてるんで‥ どこのバナーを押してくださったのかもよくわからないんですけど‥

最近たいした更新記事は書いてませんから、過去記事かもしれませんですわね‥



同性愛ランキングの順位は、たいして上がってませんから‥ そうするとゲイ関係ではなくて、もっと一般の‥ 読書評本意の読者の方々ではないかと。











というわけで‥

最近また読み直したいなと思ってるのは:

去年のちょうど今ごろ書いていたホブズボームの《20世紀歴史もの》評です。。。





 たとえば↓

  ギトンのあ〜いえばこーゆー記 2015/4/20 両極端の時代(4)



 去年読んでいた時には、“1950-70年代の東西冷戦”のマクロな理解に主眼を置いてまして、

“冷戦”終結後のヨーロッパ“脱工業化”⇒アジア・アフリカ諸国への“工業移転”とその影響───といったことは、21世紀に向けての、ほんの展望としてチラ見したにすぎませんでした。


しかし‥ いまやその21世紀も5分の1を過ぎようとしています。“脱工業化”“工業移転”の影響、───とりわけ政治への影響ということを、もはや無視しては世界政治は語れないところまできているようです。




 最近、とりわけそのことを印象づけるできごとがありました。英国のEU離脱国民投票です。

 離脱票がわずかに残留票を上回った投票結果は、大方にとって予想外だったようですが‥

 その原因の分析は‥ 当のイギリスやヨーロッパでの分析も含めて、

ホブズボームの《20世紀史》を読んできた私たちには、あまりにも表面的で本質を突いていないように思われます。





 たとえば‥ ↓こちらの図をご覧ください。









 青い部分が、離脱票の多かった地域。青が濃いほど離脱票の割合が多かったことになります。

 青は、もっぱらイングランドに集中していて‥ とりわけ、南東の海岸部に集まっています。ここは、いわゆる“ハートランド(心臓部)”───かつては、世界有数の重工業地帯だったところです。重工業地帯だったということは、おおぜいの基幹労働者がそこで働いていて‥ イギリス労働運動の中心的な地域だったことを意味します。



 ホブズボームが『20世紀の歴史』の中で述べていたように(↑「両極端の時代(4)』参照)、この地域は今では“脱工業化”が進んで‥ 工場がほとんどなくなってしまって‥ 空き地だらけの場所になってしまっています。


 そして、かつての労働者は、‥もう年齢も相当に高齢化していますし、そもそも彼らが働いていた工場は今はありませんから‥ その大部分は年金生活者として暮らしているはずです。




  




EU離脱国民投票の結果に対して、離脱票を入れたのは「教育のない貧乏人だ」とか「田舎の人だ」とかいう評論が出ていますが、あまりにも表面的です。

上の図を見ても、スコットランドの“いなか”では、離脱票は必ずしも多くないのですから、「離脱票が多いのは田舎だ」などとは言えません。

それと、重要なのは年齢別です。

「支持政党にかかわらず若者ほどEU残留支持が強く、高齢者ほど脱退支持が多い」という調査結果が出ています↓








「【EU離脱 イギリス国民投票】

 国民投票で、18歳から24歳までの若者の70%余りが残留に投票した一方、65歳以上の高齢者の60%が離脱に投票したことが、当日の聞き取り調査で明らかになりました。」

NHKニュース



 つまり‥、濃い青の集中している“ハートランド”地域では、かつて基幹労働者であり、イギリス労働運動の中核を担っていた人たちが、今は高齢の年金生活者として、‘右傾化’し“離脱”票に組みした───という構図が浮かび上がってきます‥

 たしかに、年金で生活しているのですから、暮らしぶりは裕福ではないでしょう。元労働者ですから、学歴は高くないでしょう。彼らを“離脱”票に向けた極右政党の活動も無視できないでしょう。

 しかし、「教育の無い貧乏な白人が、極右政党のポピュリズムに踊らされた」などという表面的な論評では見えていない本質が、ここには現れていないでしょうか?




 つまり、───ホブズボームの歴史分析に基いて言えば───問題はもっと根深いということです。

 “ポピュリストの宣伝に騙されただけだ”“教育が無いから、‘大英帝国の栄光’を取り戻そうとして騙されるのだ”などと論評しただけでは、何ひとつ問題に切り込んだことにはならないと、ギトンは思います。


 ヨーロッパの“脱工業化”⇒アジアアフリカへの“工業移転”⇒ヨーロッパへの利潤の集中と《空洞化》───という20世紀後半〜21世紀の大きな社会経済史的運動の・ヨーロッパ政治への影響は、こんな形で現れるということです。





 それでは‥、今後さらに、どんな形で現れるのか? また、事態がまだヨーロッパほどには進んでいない日本や東アジア中進国の場合、今後どんな問題が現れてくるのか?‥




 ↑前記の『20世紀の歴史』は、ホブズボームが20世紀末に亡くなる前に書いた最後の著作ではありません。その後に、彼は“21世紀史”(未来史!!)にあたる論文をいくつか書き残しています。

 残念ながら、それらの日本語訳はまだ無いのですが、………英語の能力不足をかえりみずに………なんとか挑戦してみなければならないでしょう。。。








ばいみ〜 ミ

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カテゴリ: ホブズボーム

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