〔『宇宙の謎』(1899年):Ernst Heckel:"Die Weltraethsel", Kap.12,"Einheit des Substanz-Gesetzes", ギトン訳出〕
ヘッケルは、心理学も、生理学の一部門と考えており、人間の思想や心も、究極的にはエネルギーに統一された科学法則によって説明できると考えていたようです★
★(注) 「雲からも風からも/透明な力が/そのこどもに/うつれ」(〔あすこの田はねえ〕#1082, 1927.7.10.)など、空の風などが吹き込んでくるエネルギーが、私たちの明るい気持や活動のもとになるという宮沢賢治の考え方も、もしかすると、ヘッケル(の誤読?!)に基いているのではないか、という気がしているのです。この点は、もっと追究してみる価値がありそうです。
そうした点から、おおざっぱに見れば、ヘッケルは“機械的唯物論者”のように思われますし、ごく最近まで、そういうレッテルを貼られてきたのでした。
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