(ホメロス『イリアス』「第一歌」, from The Chicago Homer ギトン仮訳)
叙事詩の伝統は、伝説、物語、小説を支脈として派生していきます。紀元1世紀にローマで書かれた『サテュリコン』は、世界最初の小説だったとも言われます:サテュリコン
いずれにせよ、それらは、神という名宛人を喪失した結果、不特定の読者に向けられて行くのです。
しかし、その一方で、叙事詩と並行して、特定の人に宛てて作られる短い詩がありました。
たとえば、歌垣や、沖縄の“毛遊び”のようなものは、どこでも、非常に古くから行なわれていたと思われます。
最も古い抒情詩と言われるギリシャのサッフォーの詩句は、特定の神に宛てて呼びかけるか、もしくは特定の相手に向かって、愛や愛の拒絶を語っていました:サッポーの詩作品
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