『心象スケッチ 春と修羅』

□グランド電柱
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  北齊
ほくさいのはんのきの下で
  黄の風車まはるまはる
いつぽんすぎは天然誘接
よびつぎではありません
つきと杉とがいつしよに生えていつしよに育ち
たうたう幹がくつついて
險しい天光
てんくわうに立つといふだけです
鳥も棲んではゐますけれど


原體
はらたい劍舞連けんばいれん

(mental sketch modified)


────────


  dah-dah-dah-dah-dah-sko-dah-dah
こんや異装
いさうのげん月のした
とりの黒尾を頭巾づきんにかざり
片刄
かたはの太刀をひらめかす
原體
はらたい村の舞手おどりこたちよ
ときいろのはるの樹液を
アルペン農の辛酸に投げ
せいしののめの草いろの火を
高原の風とひかりにさヽげ
菩提樹
まだかはと繩とをまとふ
氣圏の戰士わが朋
ともたちよ
青らみわたる■氣
かうきをふかみ


 ■ =サンズイ+影


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