『心象スケッチ 春と修羅』

□オホーツク挽歌
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青森挽歌


こんなやみよののはらのなかをゆくときは
客車のまどはみんな水族舘の窓になる
   (乾いたでんしんばしらの列が
    せはしく遷つてゐるらしい
    きしやは銀河系の玲瓏
れいらうレンズ
    巨きな水素のりんごのなかをかけてゐる)
りんごのなかをはしつてゐる
けれどもここはいつたいどこの停車塲



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