『心象スケッチ 春と修羅』

□春と修羅
14ページ/17ページ


そ┃ みきは黒くて黒檀
 ┃
こくたんまがひ
の┃  (あたまの奥の
 ┃キンキン光つて痛
 ┃いもや)
手┃ このやぶはずゐぶ
 ┃んよく据えつけら
 ┃れてゐると
か┃ かんがへたのはす
 ┃ぐこの上だ
ら┃ じつさい岩のやう
 ┃に
こ┃ 船のやうに
と┃ 据えつけられてゐ
 ┃たのだから
り┃ ……仕方ない
は┃ ほうこの麦の間に
 ┃何を播いたんだ
そ┃ すぎなだ
ら┃ すぎなを麥の間作
 ┃ですか
へ┃ 柘植
つげさんが


────────


と┃ ひやかしに云つて
 ┃ゐるやうな
ん┃ そんな口調がちや
 ┃んとひとり
で┃ 私の中に棲んでゐ
 ┃る
行┃ 和賀
わがの混んだ松
 ┃並木のときだつて
く┃ さうだ



休息


そのきらびやかな空間の
上部にはきんぽうげが咲き


次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ