□ブックタイトル
宮沢賢治の《いきいきとした現在》へ
□執筆開始日
2012年11月25日
□カテゴリー
小説
創作
□概要
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わけのわからないところもあるが、ふしぎな魅力にみちたミヤケンの詩の秘密を、とことんさぐってみました。
『心象スケッチ 春と修羅』の解説になっています。
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□読者へのメッセージ
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2017年2月6日 旧稿「‘ランプとり’の背中」を全面的に改訂、タイトルも内容にふさわしいものにしました。
ちなみに、《いきいきとした現在》lebendige Gegenwart とは、フッサール現象学のタームです。かんたんに要約しますと:―――
《いきいきとした現在》とは、私たちの意識と世界がたえずそこから生みだされてくる根源的な“いま”であり、私たちの“意識の流れ”の“現在”よりも、いつもそれ以前にあって、“意識の流れ”そのものを生み出している源である。
私たちは、その源を意識しようとしても、意識が生じた時にはいつもすでに、その“いま”は過去になっているので、源をその現動する姿のままに見ることは、決してできない。
しかし、その根源的な“いま”は、たえず自己自身(“いま”)から立ち去って、自己自身とのあいだに隔たりを生じながら流れ続ける。その一方で、それは、つねに“いま”に立ち止まり、今であるというしかたで同一のものでありつづける恒常性をもつ。
この二重の性格によって、根源的な“いま”、《いきいきとした現在》は、自我の同一性と自己意識、“もの”の個別性、自己と他者、主観と客観、‥などなど私たちと世界とその複雑な絡み合いがそこから生み出されてくる始原の場でありつづけるのだ。
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