闇に生きる者

□闇夜の過去
2ページ/4ページ





闇隠れ、月影邸
当時、俺は双子の兄…夜闇の付き人として働いていた


もちろん上忍だ…いや、実力はそれ以上と言われた



『兄上!敵襲です!』


夜闇「また白夜一族か?」


『はい、また十六夜です…』



光隠れの白夜一族と呪乱一族は敵対していて

今、白夜十六夜と言う一族の頭領が戦いに来たのだ



夜闇「…俺が行く」


『ッ!?…ですか兄上!』


夜闇「今日こそ俺が十六夜と決着をつけて来る…」



夜闇と十六夜はライバル同士だ

長年戦っているが、勝敗はついていない



『でもっ…!』


夜闇「…里の事、宜しくな……闇夜」


『っ!!…兄さ…ん……』



兄上は俺の頭を撫でて、行ってしまった

まるでもう帰って来ないと言うかの様な感じだった


嫌な予感がした、もう兄は帰って来ないのだと思った



その後予感は的中し、夜闇は帰っては来なかった


死体も見つからず、戦った後さえも無かったのだ

生きているのか死んでいるのかも分からない




俺は絶望していた




唯一の家族を今失った…もう誰も俺の身内なんか居ないと


もしかしたら十六夜と和解して

何処かで密かに暮らしているのではないかと


もしかしたら十六夜に囚われてしまったのかも

あるいは本当に…死んでしまったのか



そんな事を考えても何の慰めにもならない


俺は世界、この世の中に再び絶望を感じた





.
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ