薄桜鬼SSL?
□プロローグ
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「おぎゃあ、おぎゃあ」
台風が去った後の人気の無い海岸で、赤ん坊が泣いていた。
赤ん坊は雨に打たれてぐっしょりと濡れ、泣いているのにも係わらず真っ青な顔をしている。
声は今にも消えそうなくらいか細い。
しばらくすると、赤ん坊の声を聞きつけたらしき人影が浜辺のほうに歩いてきた。
「いまだに津波警報が出ているというのに赤ん坊を連れて海岸に来るような物好きがいるとは思えんし。仮にいたとしたらそいつは物好きを通り越して気が狂っているとしか思えんよ」
「もしかしたら警報に気付いてないんじゃないかしら」
「あんなでかい音が聞こえんはずは無いと思うんだが・・・」
人影の一つが赤ん坊に気付いた。
「あんなところに赤ちゃんが倒れているわ」
たおれている赤ん坊の所へ駆け寄って抱き上げた。
「だれがこんなことを・・・」
「大変、熱があるわ。すぐに病院に向かいましょう」