トリックスター

□試験
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「来週から前期試験で-す♪」

「年に2回のこの試験の成績は、星階級審査や優等生賞レースに大きく関わってきま-す! ゆ・え・に♪ みんな頑張ってね!」

「分かっているとは思うが、学科試験なのでアリスの使用は厳禁。バレたら不正行為としてペナルティがあるから気を付けるよ-に。ま、制御アイテムつけさせられるだろ-し、大丈夫だろうけど」

「勿論、アリス以外の不正行為については言うに及ばず、だ。その時は…分かってるな?」

 それぞれ教師からの説明に、力なく返事する生徒。

『は-い…』

 中でも蜜柑は、教師が去った後の教室で叫んでいた。

「うえーーっ、試験!! ウチ試験大きらいーーっっ!! 」

「私もテストなんか嫌いだー! 」

「まぁ、馬鹿には辛い関門よね」

 俺は周囲に聞こえないように小声で話しかける。

「柚香、今回のは小学校のテストだって忘れてないか。勉強なら前世で大学院レベルまで教えただろ」

「あ、そうだった」

「え、2人とも馬鹿なの? どれくらい? 俺より? 」

「かなり…」

 ウキウキで問いかけてくるキツネ目君に蛍が答える。

そこで委員長が慌ててフォローに入った。

「あっ、でも蜜柑ちゃん! この試験頑張って上位とれば、クラスに1人優等生賞の候補になれるかもだよ? 」

「「え-、ムリムリ」」

それに対し心読み君とキツネ目君が否定する。

「そういや家族との面会の権利を賞与されるらしいぞ」

「えっホンマ!? 」

「これを見ろ」

 俺が突き出したプリントには、めざましい活躍をした者には家族との面会の権利を賞与として…と書かれている。

「ウチっっ、今すぐ勉強頑張るっっ!!」

「柚香は頑張んないのか」

 柚香は周囲には聞こえないように小声で答える

「私は会いたくなったらいつでも夢使いを使って会いにいけるもの」
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