駄文U

□謎のクッキー〜マリキド編〜
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日も登りかけた朝。
ふと目が覚めて起きる。
ぐいー、と身体を伸ばして静かにカーテンをあけた。

「ぅ、んん〜…」

いつもは勤勉に私を起こしてくれる目覚まし時計を引き寄せて時刻を確認する。
短い針が4と5のほぼ中心に位置し、長い針が6にピタリとこれ以上ないほどに合っている。

「4時30分かぁ…キド、もう起きてるかなぁ…」

時計をベッドに投げて、キドを想う。
セトが私のお家に初めて来たときも、キドのことをまるで自慢するかのように言っていた。
初めて会ったときは怖いなって思ったけど、段々セトを通して話して、接していくうちに引かれていく私がいた。
だけど。
お母さんはお父さんを好きだったし、お母さんから聞いたおばあちゃんはおじいちゃんを愛していたんだって。
キドは凄い男の子っぽくてカッコいいけど、女の子。
私がおかしいのかな。
私と同じ女の子が好きになるなんて。

ーカチャ。

少し静かにドアを開く。
すると、なにかがドアに当たって、ガンッと音がする。

「…きゃっ…!」

思わず悲鳴が口を出て、下を見ると昨日、片し忘れたのかクッキーの缶のようなものが転がっていた。
とりあえずそれを拾って机におき戻す。

「………………まだいないんだぁ…」

やけに響いた音に目を細めて、ふと。
さっき見つけたクッキーの缶のようなものを手に取った。
これがもしクッキーだとしたら、小腹の空いた今なら喉から手が出るほど欲するものじゃないだろうか。
ドキドキしながらその缶を開けると案の定、クッキーではむと口に含んだ。

「ぁ…美味しい」

口を綻ばせて微笑む。
さくさく、と2〜3枚食べてクッキーの缶に蓋をした。

「…………」

ちらりと奥の扉を見た。
あの扉の奥にはきっとキドが眠っているんだろう。
のぞいてみようかな…。



綺麗。
そう一言で纏められるほど美しい。
まるで眠り姫のよう。
無意識でその顔を捕まえるかのように押さえつけてキドを眺めている私は眠り姫をキスで目覚めさせる王子様のようなのだろうか。
そのピンクの唇に誘われるまま唇を重ねた。



…息苦しい。
なんなんだろう。

「っ、ん…!」

「はっ…キド!おはよう!」

目の前には素晴らしい笑顔をした俺がいた。
意味がわからないと思うが、安心してほしい。
俺も意味がわからない。
取り敢えず、目線を落とすと白いふわふわの髪が見えた。
こんな髪をしたやつは一人しかしらない。

「ま、マリー、か?」

恐る恐る聞くと首が千切れそうなほど凄くぶぅんっと縦にふられた。

「ま、またか…」

がっくりとうなだれた。


えんど

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