駄文U

□謎のクッキー〜モモキド編〜
2ページ/2ページ

そこから、甲高い声が聞こえてくる。

「私もっ、エネも居ますよっ!!」

お兄ちゃんが掲げた携帯端末の中では、いつもどおり青いエネちゃんが手を振っている。
相変わらず元気な子だなぁ…と年寄り如く感心する。

「あぁ、エネか。久しぶりだな。元気だったか?」

キドさんがふっと微笑んでエネちゃんに挨拶をする。
…かっ、かっこいいっ…!
でも、こんな笑み、見たことないかも…。

「…おい、キサラギ何してるんだ?」

「………えっ…?」

思わず考え込んでしまっていたらしく、顔をあげると団長さんが近くにいて、ビックリして後ずさる。

「なんかあったか?」

「…ぃえ、なにもありません…」




「………シンタロー、先に食べていてくれ」

「ん?ああ…」

「おい、キサラギ。こっちにこい」

おそらく。
多分。
こいつが今落ち込んでる理由は一つしかないだろう。
キサラギを連れて、リビングから出る。

「団長さん?」

「キサラギ。別に俺は誰か一人に対してに特別な思いなんかないからな、勘違いするなよ」

「え…ぁ、はい…」

…間違ってないよな?


ーカチャカチャ。

茶碗洗いをしながらため息をついた。
もしかして、私が団長さんを好きなのがバレちゃったのかな…。
もし、そうならなんて悲しいのだろう。
言う前に振られてしまうなんて…。

「キサラギ?」

「ぅわひゃぁあっ!?」

ま、また現れたっ…!
キドさん、怖すぎ…!

「な、なんですか…?」

「いや、さっきから手が止まってるぞ?」

キドさんに指摘されてはっとする。

「あわ…すみません…」



「団長さん!お茶にしましょう!」

なんとか、茶碗洗いを終えたキサラギが今度はお茶を運んでくる。
紅茶のいい香りがリビングに充満している。

「ああ」

クッキーの効果は切れ、からだが元にもどり、やれやれと思い、紅茶の隣にあった角砂糖をいれて口に含んだ。
その瞬間。

「!!?」

「ぁれ?」


えんど
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ