駄文U
□謎のクッキー〜モモキド編〜
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そこから、甲高い声が聞こえてくる。
「私もっ、エネも居ますよっ!!」
お兄ちゃんが掲げた携帯端末の中では、いつもどおり青いエネちゃんが手を振っている。
相変わらず元気な子だなぁ…と年寄り如く感心する。
「あぁ、エネか。久しぶりだな。元気だったか?」
キドさんがふっと微笑んでエネちゃんに挨拶をする。
…かっ、かっこいいっ…!
でも、こんな笑み、見たことないかも…。
「…おい、キサラギ何してるんだ?」
「………えっ…?」
思わず考え込んでしまっていたらしく、顔をあげると団長さんが近くにいて、ビックリして後ずさる。
「なんかあったか?」
「…ぃえ、なにもありません…」
*
「………シンタロー、先に食べていてくれ」
「ん?ああ…」
「おい、キサラギ。こっちにこい」
おそらく。
多分。
こいつが今落ち込んでる理由は一つしかないだろう。
キサラギを連れて、リビングから出る。
「団長さん?」
「キサラギ。別に俺は誰か一人に対してに特別な思いなんかないからな、勘違いするなよ」
「え…ぁ、はい…」
…間違ってないよな?
*
ーカチャカチャ。
茶碗洗いをしながらため息をついた。
もしかして、私が団長さんを好きなのがバレちゃったのかな…。
もし、そうならなんて悲しいのだろう。
言う前に振られてしまうなんて…。
「キサラギ?」
「ぅわひゃぁあっ!?」
ま、また現れたっ…!
キドさん、怖すぎ…!
「な、なんですか…?」
「いや、さっきから手が止まってるぞ?」
キドさんに指摘されてはっとする。
「あわ…すみません…」
*
「団長さん!お茶にしましょう!」
なんとか、茶碗洗いを終えたキサラギが今度はお茶を運んでくる。
紅茶のいい香りがリビングに充満している。
「ああ」
クッキーの効果は切れ、からだが元にもどり、やれやれと思い、紅茶の隣にあった角砂糖をいれて口に含んだ。
その瞬間。
「!!?」
「ぁれ?」
えんど