駄文U
□病んで、歪んで
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頷いたキドの手を引いて、外に出た。
*
…なんなんだろう。
最近、キドとよく話せてない。
というか、妨害されているような…。
なんでだろう。
というか、なんでキドと話せないくらいでこんなにモヤモヤするんだ?
…もしかして、僕はあんなに乱暴で男っぽいやつが好きなのか…?
まさか、そんな…。
でも…。
そう考えると、辻褄があう。
…そうか。
僕はキドが好きなんだ…。
*
「今日はやけにテンションが高いな、マリー」
「うん!だって、キドと二人っきりでお出掛けしてるんだもんっ!」
おもいっきりの笑顔で振り返る。
キドもえがおで頷いてくれた。
嬉しいな。
ずぅっとこれが続けばいいのになぁ…。
そしたら、私はずぅっと幸せでいれる…。
でもそんなことしたらキド、怒っちゃうかな…。
「マリー!こっちにもあるぞ!」
「えっ、ほんとー!?」
まぁ、いいや。
今、この瞬間。
この一コマ一コマが幸せだもん。
もう、みんなのことは忘れちゃえ。
「………………。」
*
「セト!」
「ん?なんすか、カノ」
「…すこしだけ、話したいことがある」
*
「わぁっ、ほんとだ!これだったらいいの出来るかも!」
「よし、じゃあこれにするか。他に買いたいものはあるか?」
マリーが手に取った、乾燥した草。
どこでみたのか、今度は麦わら帽子を作るらしい。
まぁ、麦わら帽子と言えば、某国民的アニメで、主人公が麦わら帽子をかぶり手足を自在に伸び縮みして、個性的な仲間とともに同胞である海賊を退治していくというよくわからないアニメにもあるが、マリーはきっとそれを見ていないはずだ。
「……!」
色とりどりのリボンが視界のはし、ギリギリを通る。
いつもならば、止まって眺めるはずのマリーが素通りした。
…なんだ、この違和感…。
*
ーカチャ。
優雅なティタイム。
っとはいかないようっすね。
目の前には、昨日キドが作ったクッキーと、俺がいれた紅茶。
自分であまりやらないわりにはうまく入れれた、と思ったんすけど…。
納得してくれないようっすね。困ったっす。
せっかく話したいことがあるから、というから舞台を用意したのに…。
「カノ、一体なんなんすか?さっきから黙り込んで。俺は、のうりょ…」
「セトはさ、気づいてないの?」
おお、意味ありげなつかみっすね。
「…なんのことっすか?」
手を組んで顎をのせて、少し笑いながら言葉を紡ぐ。
普段ならば、カノがやっていそうな役柄なんて似合わないとおもうけど、目の前のカノはどう思っているのかな?
でも、顔色が悪いっすよ?
全く…。
「…セト、本当は気づいているんじゃないの?」
外国人のように肩を上げて笑って見せた。
こんな役は似合わないっすけど、楽しいっすね〜…。
いつの間にこんな性悪になってしまったんだか…。
「ダメダメッすよ、カノ。主語が抜けてるっす。」
その言い方がカノの逆鱗に触れてしまったのか、ダンッ!とテーブルを叩いて立ち上がったカノの目は明らかに激情して睨みを聞かせている。
カノが伝えたい…いや,俺に聞きたいのはわかるんすよ?
カノが俺に聞きたいのは…。
「マリーが俺を利用していること、カノにキドが意図的に近づけないようにしていること、っすよね?」
「なっ…」
カノの目が、俺の目を確認するようにみる。
だが、俺は能力なんて使ってはいないし、使わなくともわかる。
カノは[目を欺く]能力の癖に、分かりやすすぎるんだ。
ぁれ?
もしかして俺がさと過ぎるだけかなぁ…?
「そうなったのは、全て…」
「マリーのお心なんすよ?」
にっこり、と笑って紅茶を喉に流し込む。
生ぬるい紅茶を胃に流し込んでから、カノを見る。
「カノは、キドのことがすきなんすよね?なら、キドにならどう利用されようと構わない、と思うことはないんすか?」
「な、そんなこと思うわけないじゃん…!?」
カノの驚きに満ちた顔に笑いそうになるのを堪える。
「俺は…好きな人になら、いくら利用されようと、いくら自分に得がないことであっても…言うことをきく。まるで奴隷のように。」
「そ、それで…セトはいいの…?」
「いいんすよ、マリーのためなら…」
*
「キド?ちょっと、遠くまでいってみない?」
「遠くまで?」
「うん……」
*
「俺は、なんだってしてみせる…」
*
「ちょっと、私たちを誰も知らないところに」
えんど
あとがき
後半のセトとカノの会話が楽しくてしかたがなかったwww
そして、私はマリーを病ませるのが好きらしいwww
こんな駄文をリクエストにしてしまってすみませんm(_ _)m