駄文U
□Lets,バスタイム!
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ーザァァァ…。
ある日。
紫色のパーカーをきた中性的な少女ととピンクのパーカーにフードを被った少女は帰りに雨に降られ、慌てて雨宿り先を探していた。
「…あっ、キドさんっ!ここから私の家、近いですよ!」
ピンクのパーカーの少女が指をさして、雨の音に負けずに叫んだ。
そして、紫色のパーカーの少女がぐるり、と方向転換をして頷いた。
*
ーガチャッ、バタンッ!
まったく…ひどい目に遭った。俺は手早く、フードを脱いだ。
フードを被っていても所詮、布。
こい緑色の髪の毛はしっとりと濡れてしまっていてふぅ、とため息をついた。
「あっ、キドさん。お風呂入ります?」
それに気を使われてしまったのか、タオルをとりにいっていたキサラギが俺にタオルを渡した。
「あー、いや。いいよ、風呂なんて、っくしょんっ!!」
「ああっ!くしゃみしてるじゃないですか!遠慮しなくていいですから入りましょ!?」
強く推され、仕様がなく頷く。
いや、そうしていたほうがいいからな。
うん。
またキサラギがバタバタと走っていって、その間にズボンが吸った水分を叩いて抜いて待った。
*
「キドさん!お風呂、わきましたよ!」
数分後。
バタバタとこちらにくる音に顔をあげると、予想通りキサラギだった。
たちあがって、礼をいうとアイドルスマイルのような笑顔を見せて風呂場まで案内される。
「ここですよ、キドさん!」
ガラッと開かれたドアから中を見ると、広くて少し羨ましいなぁと思った。
「…あのぉ、キドさん。お願いがあるんですが…」
後ろを振り返ると、キサラギが何故かモジモジしていた。
「なんだ?」
「一緒に、お風呂入ってもいいですか…?」
「はっ!?」
びっくりして後ずさると慌てたように手を前にだして早口で弁解を始める。
「やっ、あのっ!私も濡れて寒いし、お湯もわいてるから二人で入っても大丈夫かなって…!」
「…そうだな。」
あまりにも、正論で返されグッとなにかがつまった。
頷いて、紫のパーカーを脱ぐとキサラギが息を吐いたような音がして脱ぎかけのパーカーの隙間からチラ、と見てみるとキサラギもピンクのパーカーのチャックを下ろしていた。
「ふぅ…。キドさん、濡れてるから脱ぎにくいですよね…。手伝いますか?」
「ん、あぁ。頼む」
パーカーの下に来ていたタンクトップにあくせくしていたので、素直にその誘いに応えた。
「はい、じゃあいきますよぉっ!」
ガッと荒々しくタンクトップを捕まれ、腕を上げさせられる。
まるで、母に服を脱がされる子供のようじゃないか。
少しげんなりして、ため息をつくと、それが合図だったのか、一気にガバッと脱がされる。
「ぶっ!」
びっくりして、体内の二酸化炭素が排出されてしまった。
まぁ、貯めているわけではないのだが。
「キドさん、服は洗っておきますね!」
「あぁ、頼む」
着ていたタンクトップはキサラギの手によって、洗濯機に投げ込まれ、早々に服を脱ぎ終わったキサラギはバスタオルを体に巻いて俺を待っているようだった。
「キサラギ、先に入っていていいぞ。寒いだろ?」
「ぁ、いいですか?じゃあ、お先でーす」
曇りガラスのドアがパタンと閉まり、急いでズボンと下着を脱ぎ洗濯機に投げて、入ろう、とドアノブに手をかけた。
…ちょっと待て。
今から入っていくのはかなり恥ずかしくないか…?
…どうしよう…。
*
ーちゃぷん。
暖かいお湯が身体をじんわりと暖めていく。