駄文U

□ばいばい。
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「………」

波乱の学校祭を終え、木々は華麗な葉を落とし、冬を迎えた。
木枯らしが吹き荒れ、乾燥した冷たい空気が校舎の窓を打つ。
帰る気も失せるほどの気温。
HRを終えた私は窓に手をついてため息をついた。

「はぁ…」

木に一枚残る枯れ葉が風に煽られて揺れている。
その葉は強風が吹いたらすぐにでも飛んでいってしまいそうなほど儚く、木についていた。
くるり、と後ろを振り替えってなにも置いていない窓際の席を見つめて目をすがめた。

「…遥」

また、遥は発作を起こしたのか学校に現れなかった。
先生から聞いていた。
遥の病気は私のものとは比べ物にならないと。
一度発作を起こしたら死に至るかもしれない病気だと。
それなのに。
身体を労ってやすんでいるかもしれないのに。

「…学校にきて、会いたい…だなんて…。勝手すぎるよ…」

遥の机を撫でて、私のカバンを手に持つ。
祖母が買ってくれた黒と黄色の手袋と赤っぽいピンクのマフラーを巻いて教室を出ようとした。

「…貴音!」

「…え?」

今、遥の声がした。
おかしい。
おかしい、おかしい、おかしい。
今日は遥はきてないはず。
なのに、なぜ…?
「貴音…」

また声がする。

「…遥…?」

「うん、僕だよ」

後ろを振り向こうとすると、それを止めるかのように身体が不自然に止まった。

「…身体が…?遥、遥…!?」

怖くなって、遥の名前をひたすらに呼ぶ。
そうしたら、少しか恐怖が減ると思ったから。

「大丈夫。大丈夫だよ、貴音」

「遥…どうなってるの…。遥を見たいのに…」

ふ、と背中が暖かくなる。
まるで人の温もりみたいに。

「ダメだよ。それをしたら」

「…ぇ…」

目線をしたに落とすと、半透明なうちの制服をきた腕が。
それが、遥だと直感的に感じた。

「…遥…?」

「…ばいばい。貴音。大好き」

熱い液体が頬を伝った。

えんど



あとがき
リクエストかかずにこんなものをかいてすみません!!!

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