シークレット

□情報をください
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東西南北にエリア分けされた四つの本から西の船を選ぶ。

ジャーファルはそれを開きファレノに提示した。


「生まれた国と、育った国、どちらへ先に帰りますか?」


「そうですねえ、やっぱり生まれ故郷にいってみたいです」


どんな国なのか知らないですし、と出かけた言葉を飲み込んだ。

必要以上に心配してもらいたくない。


「そうですか……。国名は?」


「ブルットです」


ブルットブルット。呪文のように繰り返し呟き紙をめくる。

あるページで手を止め、くるりとファレノの真正面へ本の向きを代えた。


「次の船は三日後です。準備の時間は十分ありますし、運がよかったですね」


「そうですね……」


下を見てはっきりしない口調のファレノに疑問を持ち、どうしたのかとジャーファルは訊いた。


「いやあ、これでシンドリアともお別れだなんて寂しいなあ……なんて」


「大丈夫ですよ」


そして、思い出でごちゃごちゃしていたファレノの頭を一発ですっきりさせる。


「いつでも遊びに来てください。シンドリアはお別れなんてさせませんよ」


「……はいっ」


力強く返事をすると、ジャーファルはそうだ、と提案してきた。


「アラジン達を同行させますか?」


「いいんですか?」
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