迷宮(ダンジョン)からの帰還後。
アラジンはヤムライハと魔法を。
アリババはシャルルカンと剣を。
モルジアナはマスルールと稽古を。
白龍は個人で槍の特訓を。
白龍だけぼっちなのは、まあいいとして。
皆これからもっと強くなろうと頑張っていた。
だが、今日はそれを中止して王宮の中庭で会議を開いていた。
「これからファレノお姉さんを励ましに行きたいと思います!」
アラジンの掛け声で一斉に「おーっ!」と拳があがる。
迷宮(ダンジョン)からの帰還後、ファレノに話しかけても元気がなかった。
すぐに帰ろうとしたため、なんとか引き留めようともしたが、それを振り切りそそくさと帰ってしまった。
「えっと、行き先は市街地でいいんだよね?」
「はい。以前に市街地で出会ったので、そこの路地裏でいいかと」
「ホームレスなのかな?」
アラジンの呟きで皆押し黙る。
前もこの謎にぶつかったが、そこは無視して話を進めた。
だが今回は「あんなに元気がなかったのは、帰る家がなかったからなのでは?」という考えがあるため無視することはできない。