シークレット
□迷宮
1ページ/13ページ
半円柱形のゲートに黄金色の薄い粘膜。
「聞いた通りの形じゃん! 噂って信じてみるもんだね」
「噂は簡単に信じちゃダメだよ、ファレノお姉さん」
一人だけテンションが上がるファレノ。
冷静なツッコミをするアラジン。
来る途中に自己紹介を済ませ迷宮(ダンジョン)に来てみたは良いが、他の四人は迷宮(ダンジョン)自体すでに挑んだことがあるのでファレノだけ浮かれている。
ここは第24迷宮(ダンジョン) ノプシス。
場所はシンドリア南東沖。
出現時期、推定約半年と、とても新しい。
その存在を、なぜかシンドリアに来たばかりのファレノが知っていたのだ。
しかし情報の入手経路は起業秘密とのこと。
「この迷宮(ダンジョン)、聖門ががなかったら民家と間違えそうですね」
モルジアナが相変わらずの無表情で言う。
これは小さな子供が描く家をイメージしたら分かりやすいだろう。
真四角で、まわりに窓もなく、入り口は一つだけ。
足元にはびっしりと草が生い茂っている。
本当に石で出来た小さな平屋建てみたいだ。
「ぐだくだ話してても始まらねえだろ!? はやく入ろうぜ!」
そんな事を言うアリババの目はとてもキラキラしていた。
内心浮かれていたようだ。
そして、せーので聖門に触れ、飲み込まれていった。