日は揺れる心を照らす
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「おはよう」
教室に入ると、私のグループ全員が既に来ていた。
朝練の人以外は誰も学校にすら来ていない時間。とても手が込んでいる。
「おっはよう志乃! でさでさ、茉李はどうなったの?」
「えーっと」
私は携帯を取りだした。
ドゥニヤ以外は不思議そうに携帯を見つめている。
そう、ドゥニヤの指示は他のメンバーには言っていない。二人だけで決めた作戦の一つだ。
もし茉李が自身の行動を省みて今後改めていくようだったら、茉李の一件はこれで終わりになるはずだった。
だけど、もう手遅れだ。茉李をさらに追い込むことになる。
私の胸は凄い速さで鼓動を刻む。手は汗ばんでいた。
震える声を抑え、私は全てを読み上げた。
終えると、みんな恐ろしい顔をしていた。
「なにそれ。少しも反省してないじゃない……」
ヤムライハは怒りが収まらない様子だ。
「志乃さん、また一つお願いしてもよろしいですか?」
きた。私は小さく頷く。
「これから三日間ほど私たちのグループから遠退き、茉李さんと行動を共にしてください」
二つ目の作戦。
これで私は茉李の仲間だと思わせる。
騙すも何も、私はまだ茉李を心から裏切ってはいない。
紅玉は相変わらず何か言いたげにしている。紅玉はこのやり方に不満があるようだ。
先生にでも報告する気か?
まあ、そういう裏切りがないようにドゥニヤが上手く動くのだろうが。