「何を言っているのですか。友達の志乃さんに裏切られるほど嫌われたから、反省をし、行動を変える。これが私の考えです」
そうだけど。でも……。
決断をしない私に、ピスティが横から言ってきた。
「志乃が言わないなら、私が言っちゃうよ。志乃がチクったって」
「や、やめて!」
そういうのは一番まずいパターンだ。
「……私がやるよ」
それから、いつものように時間は流れ、放課後。
今日もあの日のように歩道橋の真ん中で茉李を引き留めた。
「茉李、あのね」
心臓がばくばくしている。
両手をぎゅっと握り、勇気を絞り出した。
「……っ、……茉李との悪口、ドゥニヤ達に聞かれてたみたいなんだ」
やっぱり、茉李に嫌われるのは嫌だ。私が選んだ答えは「嘘」だった。
「は?」
茉李の目は、鋭く私を見ていた。
「どうして?」
「えっと、あのグループの誰かが私たちの跡をつけてたみたいで」
「どうして志乃がそんなこと知ってんの」
「それは、私が教室に来たとき偶然その話をしてるのを聞いて」
はあっ! と茉李は大きなため息をついた。
それはどこか苛立っていて、私を怯ませるのには十分だった。