シークレット

□新規開拓
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船から降り、キョロキョロと辺りを見渡す。

皆、笑顔で楽しそうにしていた。


……さて。


「これからどうしようかな」


勢いで国を飛び出してきたためアテがないのだ。

持ってきたのはご自慢のメイスと少量の金貨。

ワンピース風の飾り気のないクリーム色の服。黒い布で肘までを隠したポンチョ風マントを一着。

余分な服を持ってきてはいないので売ることも出来ない。

途方に暮れていると、


「ねえねえそこの君ー」


「ちょっと遊ばなーい?」


なんとも間の抜けた声が聞こえてきた。
振り向くと二人の男が立っていた。


「遊ぶ?」


「そうそう!」


「そんな物騒な武器置いてさ、女の子らしく遊ぼうよ!」


瞬間。ドスッという音がした。
かと思うと、よろよろと地面に膝をつき、二人の男のうちの一人が腹をかかえ嘔吐し始めた。
メイスで突いたのだ。

ひぃっと情けない声を出す無事だった男。


「遊ぶ金があるのなら私に分けてくださいよ。ね、お兄さんたち」


すると、ごめんなさい、ごめんなさい。と繰り返し呟き小袋を置いて逃げてしまった。
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