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□File5
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それを聞いたハルナ・ルイズはギョッとした。
「知り合いなの?」
『わからん…』
グレイモンはジャンナインの顔を見るが、知るはずもないジャンナインは首をかしげている。
サイマといえば、サイトとまったく同じ姿をしていて、ダークロプスたちのオリジナルである「ダークロプスゼロ」の変身者でもあった男だ。
なぜ、こんな場所に?
「ゼロ…か」
「やっぱりお前だったのか、サイマ!」
ゼロはダークロプス、否ダークロプスゼロを抱える。
「…ああ、やはり、ここは…地獄…じゃ、ねえんだな…」
「サイマ…」
ルイズはゼロに抱きかかえられぐったりとしているロプスゼロを見つめた。彼の正体を知った瞬間、罪悪感が込上がってきたのだ。もっと早く気づいてあげるべきだった。そうすれば、彼を助けることができたかもしれないのに…。
「ルイズ…」
自分の名をロプスゼロが呼んだとき、ルイズは顔を上げた。
「なぜ、そんな顔をする…?」
どうも彼女の顔が見えていたようだ。
「なぜ…ですって?」
ぎゅっと彼女の握る拳が出来上がった。
「…そんなこと、尋ねてんじゃないわよ…」
彼にそう言い返した時、彼女は思い返していた。
一度は人類に敵対した身でありながら、トリスタニアをギールから守った時のこと、そして…ヤプールと共にゼロや自分たちと共に仲間として戦ったときのことを。
彼が仲間になってくれた。それは嬉しく思っていた。だが、またこうして敵として再会を果たしてしまい、そして…。
そんな彼から恨まれるどころか、逆に慰められるような言葉をかけられたが余計にこっちが辛くなってしまうではないか。
「サイマ、いいからしゃべるなよ!」
「俺は…ヤプールとの…戦いで死んだ…だが、俺の遺体をどうやら…ベリアルがギガバトルナイザー…の力で…再利用したようだな…かすかに、生き返ったばかりの…記憶が…残っていたようだな…」
「ベリアル…なんてことしたんだよ!」
死人を操るなんて倫理的にもってのほかではないか。あの賽馬は見たところサイトの仲間だと悟ったグレイモンは、死人を生き返らせ、仲間と戦わせたベリアルの愚劣な行為に腹を立てた。
「もういいからしゃべるな!死ぬぞ!」
悲痛に叫ぶゼロだが、逆にロプスゼロは首を横に振った。
「もう、俺は…死人だ…この世にいていいわけがない…」
「そんな…」
ロプスゼロは、手をゼロの方に伸ばし、続けた。
「…気をつけろ……ベリアルは…ただ…りよ…」
と続けとした時、サイマの手から力が抜けた。ゼロが握り返そうとした時にはもう、床の上に落ちてしまった。
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