-4

□最終章・銀河帝国VSエメラダ星連合/File0
2ページ/2ページ

一方、ゼロ(サイト)とグレイモン(グレイ)は…。
「な、なんだよこれ…」
光の国に帰還した彼らは、自分たちが見ている光景を疑った。光の国が…あちこち火の海と化していた。鏡のように美しい材質で出来上がっているビルが破壊され、炎に包まれていく。
すぐ市街地に降り立った二人は、けが人がいないか辺りを見渡して確認した。
光の国の一般人たちは火の手の上がった街から避難している。と、一人転んでしまった少年がいた。しかもその子供の素性に、赤いモノアイの巨大ロボットが見下ろしている。
「うぅぅ…うわあああああああ!!!」
赤いモノアイが邪悪な光を灯したその時だった。二本の銀色のブーメランがその機械のボディの左右の部分を斬り離し、そしてゼロが炎のキックをぶつけてロボットの体を貫いた。
〈ウルトラゼロキック!〉
「デアアアアアア!!!」
ゼロの怒涛のケリによって体を貫かれたロボット、「時空揚陸舟艇デルスト」は大爆発を起こし、炎に包まれた鉄の塊となった。
「うぅ…」
「大丈夫?」
ゼロが戦っている間、グレイモンがウルトラマンの少年の元に駆け寄る。
「グレイ、その子に怪我は?」
「大丈夫、怪我はない」
「一体何があったんだ…?」
ザギの出現からまだ一日程度しか経っていないこの時期に、光の国を狙う謎の襲撃。誰が何のためにこんなことを?
これもザギの仕業なのか?
「君はすぐに非難するんだ」
「うん、ありがとう」
少年はゼロたちにお礼を言い、すぐに避難区域へと走っていった。
「ゼロ!」
グレイモンが破壊されて瓦礫と化したデルストの方に何者かの気配を感じ、その方を指さした。ゼロもその方に向き直り、目を凝らしてみると、信じがたい影が、それも三つ炎の中から姿を現した。
『…ダークロプス部隊より報告、光の国を確認』
その火の中から出てきたのは、なんと赤いモノアイと黒いボディと悪魔のような鋭い指先を除けば、ゼロと全く同じ姿をしたウルトラマンが三人現れたのだ。
「さ、サイマ!?いや、違う!ダークロプスだと!?」
その三人のウルトラマンは、ダークロプスゼロそのものと言える姿をしていた。
それも三体、しばらく姿を見ていなかったが、なぜ…。
透視して三体のダークロプスゼロもどきたちをみると、サイマが変身したダークロプスゼロとは違い、中身がすべて機械で構成されていた。
『帝国猟兵ダークロプス』たちは、ゼロとグレイモンを見る。
『ウルトラマンゼロとグレイモンを確認、これより戦闘行動を開始する』
と、ゼロたちに休む間さえも与えない勢いで、ダークロプスたちは襲いかかってきた。攻撃される前に、ゼロはジャブと回し蹴りで反撃する。
「お前たち、ザギの手先か!?」
しかし、攻撃をよけられ、ゼロは逆に胸元をけられて、両腕をそれぞれ一人のダークロプスたちに捉えられてしまう。
「ゼロ!」
グレイモンはバトルナイザーを掲げ、怪獣を呼び出そうとしたが、それをも逃さなかったダークロプスからの光線を受けてしまう。
〈ダークロプススラッシュ!〉
「うわ!!」
爆風に吹き飛ばされ、グレイモンはバトルナイザーを手放してしまう。だが、それを手で受け止める人物がいた。
「は、離せ!」
ゼロはダークロプスたちの呪縛から逃げようとするが、ダークロプスたちはまったく離すそぶりを見せない。まずいことに、ダークロプスの一体がゼロの真正面から光線を放つための構えをとっていた。
だが、そんな時だった。
「ジュワ!」
光線を打ち込もうとしたダークロプスの真横からゼロの父『ウルトラセブン』が現れ、そのダークロプスを突き飛ばし、地面に押さえつけた。
「ゼロ!」
「親父!」
(あれが相棒の親父さんか、なるほど似てんな)
見た目が親子なだけあってよく似ていたこともあって、親子なんだな…とデルフは心の中でしみじみと感じていた。
自分を取り押さえているダークロプスが父の出現に気を取られている隙に、ゼロは身を翻して飛び上がり、解放された直後自分を捕まえていたダークロプスたちに閃光をぶつけた。
〈エメリウムスラッシュ!〉
光線を受け、二体のダークロプスは地面の上に一時停止してダウンした。
「受け取れ!」
セブンは続いてグレイモンにバトルナイザーを投げつけ、グレイモンは宙を舞ってそれを手にとった。
「ゴルザ!」
瞬間、彼の声に応えて超古代怪獣ゴルザが現れ、一体のダークロプスを出現と同時に、さっきゼロの攻撃を受けた個体の真上から押しつぶした。
「グゴオオ!!」

一方のセブンはダークロプスの胸元を蹴ってみぞおちを連発、ゼロは立ち上がった二体のダークロプスが突き出してきた拳を受け止め、その間にゴルザが尾を振るって二体同時に突き飛ばした。
しかし、難なく着地し、セブンと戦っていた個体と一列に並んで一斉に蹴りを放ち、ゼロたちを一箇所に固める形で押し込んだ。
「く!」
ゼロ・セブン・ゴルザ。二人と一体はいつの間にか三体のダークロプスたちに囲まれていた。まるで草むらから獲物を狙う猛獣のように忍び足でこちらをじっと睨んでいる
〈ダークロプスショット!〉
三体同時にL字型に腕を組んで光線を放つが、同じタイミングでゼロとセブンはゴルザを一旦三体の外へ突き飛ばし、頭に付けられたゼロスラッガーとアイスラッガーを同時に投げつけた。
三本のブーメランは宙を飛び回りながら、三体のダークロプスたちに斬りかかるが、同じようにダークロプスたちもダークロプススラッガーを振るって次々と弾いていく。
だが、親子のブーメランは二人の超能力で風魔手裏剣の形をなすように飛び回り始めた。
〈コンビネーションゼロ〉
鋭い剣閃をむき出しながらダークロプスたちに襲いかかるが、ゼロを元に作られたこともあって見事な身のこなしで回避していく。だが忘れてはならない奴がここにいる。
グレイの相棒、ゴルザである。ゼロとセブンのスラッガーをよけられないよう、援護射撃に額から火球をダークロプスたちに連発し始めた。必然的にそれをはじき飛ばそうと、ダークロプスたちも武器を振るうが、その隙にゼロとセブンのスラッガーが一体、そしてまたもう一体と下半身と上半身二つに分けられ、爆発し砕け散った。
もう一体、その攻撃から運良く逃れて宇宙に逃げ出そうとする個体をゼロが発見、二本のゼロスラッガーをカラータイマーにセットし、破壊力抜群の必殺光線を発射した。
〈ゼロツインシュート!〉
「逃すかよ!!」
光線はあっという間にダークロプスに直撃、見事粉々に消し飛ばした。
「親父、どうなっているんだ!?光の国にサイマもどきが三体も現れるなんて…」
今すぐにでもぶつけたかった疑問を、ゼロは父に尋ねる。だが、セブンは首を横に振った。今の襲撃者に関して何も知らないようだ。
「正体はまだわからんが、少なくともこの星を狙ってきたのは確かだ」
「他のウルトラ兄弟はどうしてるの?」
今度はグレイモンが尋ねる。
「プラズマスパークタワーの周辺を囲む形で侵入を防いでいる。だが今のロボットたちのボスである犯人の正体がまるで掴めていない。
あの母艦のようなロボットはおそらく遠隔操作され、中にあのダークロプスとやらを送り込んできた。発信源の割り出しを部下に行わせているが、まだ…」
「犯人の位置さえわかれば、これ以上の被害を食い止めることができるのに…」
一体誰が何の目的でこの星を攻めてきたのだろうか。やはり、これもザギの仕業だろうか。そうだとすれば合点が行くが、証拠が全くない。
すると、彼らの頭上にウルトラサインが浮かび上がった。
「これは、ベリアルさんからのウルトラサイン!」
「『プラズマスパークタワーに敵が侵入、救援を要請する』、か。
いかんな…もし侵入者がいるとしたら狙いはプラズマスパークコアだ。あれを奪い取れば、我々ごとこの星の機能を完全に停止できるからな」
「でも、あれに触れることができたやつって誰もいなかっただろ。触れようにも触れられないはずじゃん?」
「だが、ウルトラの父に次ぐ実力を持ったあのベリアル人さんが救援要請だぞ。きっと何かあったに違いない。行こうぜ!」
「うむ」
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ