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□File12
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「ングァ!?」
突然、ザギが動きを止め、ジャンボットを離してしまう。
何か様子がおかしい。頭を抱えて苦しんでいる。
「一体、何が起きたんだ?」
グレイが目を丸くしながら呟いた。
「お、おのれ…たかが器の分際で、この俺に抵抗しようというのか!!!」
激しい頭痛のあまり、頭を抱えながらザギが苛立ちの声を上げる。
『…平賀、何寝ている!俺に構わずこいつをやってしまえ!!』
「!」
ゼロの頭の中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた。今の声、間違いない!
「シュウヘイ!?お前なのか!?」
『詮索している場合か!もうエネルギーのないお前たちがまともに戦ってかている相手じゃない!早くしろ!!』
「く…そ…出てくるな!!」
ザギは首を自分で締め、器であるシュウヘイの意思を無理やり押さえ込もうとする。
『馬鹿野郎…早…』
やがて、シュウヘイの声は聞こえなくなってしまった。もうザギによって、意識を完全に封じられてしまったのだ。
「ふう、器が図に乗りやがって…さて」
気を取り直して、今度こそゼロたちに止めを刺そうと手を振り上げてきたその時、またしても彼は動きを止めた。
「……何の用だ?ダークゴーネ?」
「相変わらず口の利きかなのなっていないお方ですね。ダークザギ」
ゼロは起き上がってザギの背後から聞こえてきた声の主の姿を確信してみる。
奇妙な笑い声を上げる、一見紳士的だがいかにも冷徹非情な声をした謎の異星人が立っていた。
「誰だてめえ!?」
グレンファイヤーがよろよろと立ち上がってザギの背後にいた謎の星人に怒鳴る。
「下品ですね。浅学が滲んでいますよ?」
「あんだと!?」
「ふう…全く、相手をしたくないタイプですね。まあいいでしょう。私は『暗黒参謀ダークゴーネ』と申します」
礼儀正しくその星人『ダークゴーネ』はゼロたちに向けて敬意の姿勢をとる。
「さて、ザギ殿。あなたが復活したのならすぐ連れ戻すよう皇帝陛下からの命令できました。あなたも従ってもらいますよ」
「俺は奴の部下ではない。まあ…今は我慢してやるよ」
ザギはゼロたちに背を向け、ダークゴーネの背後に歩いていく。
「待て!」
ゼロはいつでも光線を打てる姿勢を取る。が、それでもザギは立ち去ることをやめようとしなかった。
「そう急かすな。いずれまた会いに来るつもりなら、また会えるだろうよ。じゃあな」
ザギはそう言い残し、ダークゴーネと共に黒い霧と化して姿を消した。
「くそ!畜生!!!」
友を救えなかった。助けてあげられなかった。その悔しさがゼロの心を大いに傷つけた。
シュウヘイを知る仲間たちも、シュウヘイが敵となったことに凄まじいショックを受けた。
すると、ゼロは頭上に何かを感じ取った。空を見上げると、夜の星の上に、線を曲げに曲げたようなマークが見える。
ウルトラマンたちが使う独特の文字、ウルトラサインだ。そのサインにはこう書かれていた。
『緊急事態。光の国に襲撃者が出現。戦力は予想以上。直ちに帰還せよ』
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