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□File6
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「今だ!」
両手を広げたジョゼットの前で動かないレイモン。グレイモンはその隙に背後からレイモンの後頭部に延髄切りをかました。
「ア…アア…」
グレイモンの蹴りが炸裂した直後、レイモンから黒い蒸気が溢れ、星人と言っても過言ではなかった彼の姿は元の人間の姿となり、ジュリオはその場に倒れ付した。ゴモラも主人の気絶と同時に、光のカードとなって彼のネオバトルナイザーに戻っていった。
「ジュリオ…」
ゼロは気を失った彼を、どこか憐れむような眼差しで見下ろしていた。
この後騒ぎが収束したのを機に、ジュリオは医務室に運ばれ、聖堂騎士や連合軍の兵たちは手分けして街の復興作業に当たった。

しかし、サイトたちがジュリオと止めている間、ある悪夢がすでに起きていた。
ゼロたちが戦っている時、テファはアリィーとルクシャナと共にオストラント号に戻ってきた。
「先に、何か食べ物持ってくるわね」
「お願い、ルクシャナさん」
間易の厨房に食料を取りに行ったルクシャナとアリィーと別れ、まっすぐ彼の元にいこうと、彼を寝かしつけたままの部屋に入る。
「シュウ…!」
彼が意識を失った日から数日は経っていた。ようやく彼が目を覚まして窓の前に立ち、窓から差し込む光を浴びている姿を見た。
よかった、テファははっきりそう思っていた。だが…。
次の瞬間、彼女にとってあまりにも信じがたいことが起こった。
「お疲れさん」
「え…?」
シュウヘイの手に、ディバイドシューターが握られ、しかも彼女の方に銃口が向いていた。
バン!
発砲する音が響き、彼女は部屋の壁に叩きつけられ、床の上に崩れ落ちた。
肩から激しい痛みと血が流れ落ちる。意識が朦朧とする中、彼女は部屋から歩き去ろうとするシュウヘイを見上げた。
「…な…なぜ…?」
声がかすれてしまったためか、彼の耳にその声は届かなかった。彼が部屋から去ると同時に、彼女は意識を手放した。
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