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□三美姫の輪舞・英雄の共闘/File0
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「ごめんなさい…命令だから」
「命令?何だよ命令って!!」
と、そこでシュウヘイとテファ、ルイズにハルナが駆けつけた。
「タバサ?あいつ何をしてるんだ!?」
「わからねえ!何だか命令って言ってるみたいだが…」
一体彼女はどうしてしまったのだ?自分たちが彼女に何か悪いことでもしてしまったのだ
ろうか?だが、そんなことした覚えなんかなに一つない。
「おや、もう一人の虚無が来るとはね」
どこからか声が聞こえてきた。ルイズとシュウヘイは子の声に聞き覚えがある。どことなく妖しげな雰囲気を漂わせる声。空を見ると、ガーゴイルの上に女性が立っていた。
「誰だ!?」
「あなたとは初対面だったわねガンダールヴ。私はシェフィールド。神の頭脳ミョズニトニルン」
シェフィールドは改めてサイトたちに自己紹介し、額を隠す前髪を捲る。そこにはサイトとシュウヘイのものとよく似たルーンが紫色の光を放っている。
「ミョズニトニルンだと!?」
虚無の使い魔とかかわりのあるデルフは驚きの声を上げた。
「知ってるのか!?」
「あたぼうよ相棒!あらゆるマジックアイテムを使える力を持つ、虚無の使い魔の一人だ。だとしたら…」
シュウヘイはようやく理解した。以前クロムウェルを問い詰めた際、彼女は自分を『同胞』と呼んだ。同じ虚無の使い魔だったからそういったのだ。
「そう、我が主も虚無の担い手よ。さて、ガンダールヴにリーヴスラシル。あなたたちの主を頂けるかしら?」
「愚問だ!」
サイトは高く飛びシェフィールドに攻撃しようとしたがタバサが笛を盾にしてそれを阻んだ。
「タバサ、退けよ!何してんだ!」
だがタバサは退こうとしない。それどころか更に強力な氷の魔法『ジャベリン』を唱えている。その証拠に巨大な氷の槍が形成され、こちらに牙をむいている。
そしてタバサが杖を振り降ろした瞬間、氷の槍はサイトの方に向かって急降下した。サイトはデルフを盾代わりにして防いだ。だが氷はまだ消えず、デルフごとサイトを貫こうとしている。
「んぐうう……うおおおお!!」
彼が力を振り絞る地同時に、彼のガンダールヴのルーンが青い輝きを増し、氷の槍無理やり打ち砕いた。
「!?」
タバサの眼前ですでにサイトの剣が振り上げられる。っここまでか…気負いされて仰向けに倒せれたタバサは死を覚悟し、目を瞑った。ガキイイイイン!!!!!
…?痛みがない。
「どうして…?」
自分の顔の真横でデルフの剣先が突き刺さっていた。
「止めをさせたのに…」
なんでだ?なぜ自分を襲った人間に止めを刺さない?いったいどういうつもりなのだ?
疑問に思ってサイトを見るタバサに、彼はただ一言言葉を返した。
「仲間だからだろ?」
仲間…
自分を殺しにかかった人間が、いまだに自分を仲間と呼んでくれる。信じられなかった。ここまで優しさを振りまく彼はまるで…
(私には、やっぱり…)
タバサは立ち上がり、魔法で姿を消した。
「ふん、逃げたか。まあいいわ。力ずくでも奪ってあげる」
シェフィールドは懐からバトルナイザーを取り出した。
【バトルナイザー、モンスロード!】
バトルナイザーより光のカードが何体もまき散らされ、空から飛行形態のペドレオン・フリーゲンがたくさん現れた。
「あの虚無の担い手二人を捕らえなさい!」
シェフィールドの命令通り、ペドレオンたちはルイズとテファに突撃した。
「ルイズ、下がれ!ハルナはルイズを見ててくれ!」
「わかったわ!」
「テファ、お前も下がれ」
自分の大事な人を攫われて黙っファウストれるはずがない。サイトはウルトラガン、シュウヘイはブラストショットでペドレオンたちを撃ち落としていく。ルイズもテファも黙って見てるのはもう耐えられない。杖を手に、呪文を唱え始めた。
「「エクス…プロージョン!!!!」」
青白い光とともに爆発がペドレオンたちを包み込む。だが、敵の数が多すぎた。もともと小型だからか、バトルナイザーに普通の怪獣よりも何体も多く収納できたかもしれない。
「キリがないな」
「仕方ない…」
今自分たちが守っている面子は自分たちの正体を知ってるし、他に知る人たちがいないのなら…二人は変身アイテムに手をつけようとしたその時だった。
どこからか煙を吹きながら流てきた小さな物体が一体のぺドレオンにあたった直後、爆弾以上の大爆発が起こった。一発だけじゃない。他にもいくつかそれが他の個体のも当たっていく。そして爆発を起こしていく。
ピュルルルルル…ズオオオオオオオオオン!!!!!
「ギオオオオオオオオ!!」
その爆発によってペドレオンたちは次々と爆死していった。防衛本能から逃げようとした個体も爆発から逃げきれず、巻き込まれて燃え尽きていった。
「ち…一旦退くか…」
舌打ちしながらシェフィールドはその場から姿を消した。
「あれは…!?」
サイトたちは驚いた顔で空を見上げた。自分たちを月の光から隠す巨大なものが、自分たちを見下ろしていた。巨大なウィング、前方に着けられたプロペラ。唸るエンジン音。
まぎれもない飛行船だった。まだこの星では開発されてない乗り物。
「どうかな?私の発明『空飛ぶヘビ君』の威力は!?」
サイトは、いやサイトだけでなくシュウヘイも飛行船から聞こえてきたその声に驚きを隠せなかった。
「ばかな…あんたはあの時…」
死んだはずだ。自分も彼の死を遠くから看取っていた。なのに…
「その声…コルベール先生!?」
かつて自分の闇に取り込まれながらも、その呪縛から自分を解き放ったトリステイン一の名教師、ジャン・コルベールが甲板から自分たちを温かい眼差しで見つめていた。
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