GANTZ/ULTRASEVEN.AX(完結)

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「計ちゃん…もういい」
加藤が掠れた声で言った。
「加藤!?」
「加藤さん!」
「加藤君!?」
三人はすぐ加藤の元に集まった。
「もういいだろ…元々、あのネギ星人に手を出した俺たちが…」
その時、大ネギ星人の体をワイヤーらしきものがぐるぐる巻きに絡
めとった。
そして、いつの間にかいなくなっていた西が現れる。手には子供ネギ星人に使われたのとは別のY字型の銃が握られていた。
「お前…いつからそこに…」
「いたよ。ずっとね。玄野…だったっけ?ほら」
西はX字型の銃を手渡した。
「今回の点数はあんたにやるよ。にしても、俺以外でここまで生き残れた奴は久しぶりだな」
玄野は震える手で大ネギ星人に銃を構えた。「…撃ったら、どうなる?」
玄野が震える声で尋ねると、西は酷薄な返事をした。
「当然、死ぬよ」
「!?」
「見たいだろ?こいつの死ぬとこ…」
その顔はあまりにも非情極まりないものだった。
「あんた予想通りだよ。俺と同じ目をしてる。死を見るのを楽しんでる」
「…ざけんな」
その玄野の言葉に西はつまらなそうな顔をした。
「がっかりだなマジで」
彼はY字型の銃を構え、引き金を引くと、大ネギ星人はジジ…と音をたてながら光のレーザーとなって消えていった。
「今のは…?」
ジンが恐る恐る尋ねた。
「こいつはYガン。捕獲用のやつ。さっきあんたに渡したのは…」
西は玄野からX字型の銃を手にとる。
「Xガン。ぶっ殺す時に使うやつだ。他にもこれの強化版とか刀もある」
その時だった。
上空から謎のレーザーが放たれ、彼らを襲った。
「く!」
玄野は岸本と加藤を抱えて辛うじて避けた。
上空を見上げると、見たこともない飛行物体が見えた。
「なんだあれ…?」
「ネギ星人の…宇宙船?」
動揺する玄野と岸本。まさか…アレを落とせと言うのか?
「あれ…?ジン!?」
いつの間にかジンはいなくなっていた。
西はレーザーの雨を掻い潜りながらネギ星人の宇宙船をXガンで落とそうとしたが、効果はなかった。
「ちっ…」
舌打ちする西。
すると、玄野たちにネギ星人の宇宙船から発射されたレーザーが襲いかかってきた。
「きゃあ!?」
目を伏せる岸本。さすがの玄野ももはや「死んだ」と死を覚悟した。
同じ頃、いなくなっていたジンは別の場所でスーツの内側に隠していた赤いメガネ型のアイテムを目に装着し、赤い光に包まれた。
「…?」
玄野と岸本は恐る恐る目を開くと、信じられない光景を目にした。
西もこれには驚いていた。面白いものを見つけた喜びを味わいながら。
「赤い…巨人?」
巨大な銀色のブーメランが二人を守るように飛び回り、巨大な赤い影の頭に装着された。
「…マジかよ…」
玄野には信じられなかった。確か幼い頃に見たビデオとかテレビだけの存在だったはずの巨人が立っているではないか。
微妙に違うのは、まっすぐな白い二本のラインと内股と肘に塗られた黒い模様、縦に細長いビームランプ、そしてそのブーメランは玄野の記憶の中よりも1.5倍ほど大きめだ。
「ウルトラ…セブン!?」
「デュア!」
赤い巨人はネギ星人の宇宙船を睨みながら身構えた。
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