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□最終回1
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ザギとの戦いから…。
各国と種族はわだかまりを捨てて団結し、復興作業に当たった。もちろん従来の対立と差別で溜まり込んだツケとして衝突することもあったが、その愚かさを理解する仲間たちがそれを押しとどめ、大きな弊害になることはなかった。
だがサイトたちはもうこの世界の驚異が去った今、立ち去らなければならなくなってしまった。
復興作業を手伝いたいところだったが、これ以上手を貸すことはこの世界に生きる人への甘やかしでしかない。それに自分たちにはプラズマスパークコアを元の場所へ戻さなければならない義務がある。(プラズマスパークコアは現在サイトのウルティメイトブレスレッドに収納されている)
もうグレンファイヤーたち炎の海賊たちはどこかに飛び去って行ってしまった。あれだけ目立っておいて自由すぎる連中である。というか、おそらく復興作業を手伝わされるのを嫌がったからかもしれないが。
トリステインの城の庭にて、サイト・ハルナ・グレイを見送ろうと沢山の仲間たちが見送りに来てくれた。
「寂しくなるな」
「ええ…そうね」
ギーシュがいうと、キュルケもそれに同意した。というか誰もがそう思っていた。
「ありがとうサイトさん。あなたとシュウヘイさんがいなかったらハルケギニアは死の世界と化していたでしょう」
「そういえばシュウヘイのことはどうするんだい?」
ウェールズの疑問にハルナが答えてあげた。
「私たちの方でも探してみようと思います。この件なら私たちもなんの弊害もなく干渉できますから」
「テファ、待っててくれ。長く時間をかけることになっても、シュウヘイを見つけて君のもとに送り返すよ」
強い眼差しでいうと、どういうことだろう。テファがクスクスと笑い出した。それに続いてレイナールまで笑っている。
「その前に彼が戻ってきたらどうしようか?」
「かっこつかないよな、そうなったら」
「茶化すなよ!早く見つかるほうがそれに越したことないんだから」
「でも、寂しくなる…」
寡黙ながらも、どこか寂しそうな眼差しをサイトに向けるタバサ。隣には是非姉や幼馴染の友達の顔を見ておきたいと、ジョゼットがジュリオやヴィットーリオと共に見送りに来ていた。
「タバサ、女王への即位おめでとう。キュルケと仲良くな。それとシエスタ、うまい料理ありがとう。キュルケはコルベール先生に迷惑かけないようにしろよ」
「またサイトさんとゆっくりお話できると思ったのに、残念です…」
残念がるシエスタ。
この時のタバサは正式なガリア女王となることが決定していた。それを祝う言葉を送ると、タバサは「ありがとう」と頷いてくれた。
「せっかく会えたお姉さまのお友達なのに、もう行っちゃうんだ…グレイ君も出て行っちゃうんだね。寂しいな」
「仕方ないさ。それが彼らの役目でもあるんだ」
寂しそうな目でグレイを見る彼女をジュリオが宥める。
「ごめんね、ジョゼット。オイラ、父さんが死んでから考えてたんだ。父さんの罪はきっと息子のオイラに降りかかる。父さんは、本当は平和を望む人だったから、サイトの手伝いを兼ねて償いをしようと思うんだ」
彼はそう言った時、ちょうど手持ちサイズの鉄アレイのような形となったギガバトルナイザーを見る。禁断のアイテムだが、今のグレイにとって父の形見ともいえる遺品である。
「もう行っちゃうのか…もう少し僕たちと旅しようとか思わないの?」
オキが名残惜しそうに言うが、クマノが呆れた様子で言う。
「お前の場合、こいつの怪獣をもっと見ておきたいだけじゃねえの?」
「うわ、オキって薄情」
「ご、誤解だよグレイ!クマさんも何デタラメを吹き込んでいるんですか!」
「安心しろグレイ。この薄情者は地球でも叩き直してやる」
「ボス〜〜〜〜…」
懇願するようにヒュウガにすがり出すオキ。
ZAPのクルーたちはグレイを見送り次第、地球に帰還するとのことだ。
「サイト殿、いえ…ウルトラマンゼロ。騙されていたとはいえ、一度はあなたのお命を奪おうとしたこの私が、私たちが生きるこの世界を救ってくださってありがとうございます。そして、本当に申し訳ありません」
「本当に反省してるなら、もう誰にもしないであげてください。そうなったら、きっとあなたは信用されることもすることもできなくなるかもしれない」
「肝に銘じます」
「コルベール先生…今はですが、あなたを連れて行けなくてごめんなさい」
「いや、いいのだ。でも私は諦めないぞ!いつか君の故郷の地球と光の国に行ったら案内を頼むよ」
「ええ、もちろんです!」
「せっかく友達になれたのに残念だわ」
「君がいないと寂しくなるな。なあみんな?」
「同感だよ」
ギーシュはUFZのメンバーの方を向く。マリコルヌやギムリは少し涙ぐんでいた。
「ギーシュとジュリオはなんか胡散臭いんだよな。モンモンはギーシュと喧嘩しすぎるなよ」
「ギーシュの行動次第ね」
そして、学院長オスマンが前に出た。
「サイト君、君には感謝をいくらしても足らないほど我々に貢献してくれた。ありがとう」
「俺は勝手にやってただけですよ。そんなに畏まらないでください」
「この世界は僕が守っていくよ。だからシュウヘイが見つかったときはすぐ知らせてくれ」
ウェールズがそう言うと竿とは「たのみます」と言った。
ふと、アスカもここで変えることを宣言した。
「俺もいかなきゃな。まだ旅の途中だし、約束がある」
「約束ってなんです?」
「ヒ・ミ・ツ、さ。サイト君」
なんか軽くはぐらかされた…と思いながらもサイトはルイズの方を見た。こちらに言葉を掛けようとしない。それどころか顔をこちらに向けない。彼は背を向けるルイズに近づいた。
「ルイズ…」
「いいのか娘っ子?何も言わずにお別れしちまうのかい?」
サイトに担がれてるデルフが言うが、彼女は相変わらず素直じゃない口ぶりで怒鳴った。
「は…早く行きなさいよ!別にあんたがいなくても全然寂しくないんだから!」
「ハルナと会ってなかったら…多分お前に惚れてたかもな…なんてな。
安心しろよ。長期休暇がとれたりしたら、またみんなに会いに来るよ。だから、『さよなら』は言わないよ」
「…本当?」
「当たり前だ。俺はお前の使いまで、仲間じゃないか」
サイトとハルナとアスカはゼロとファウストとダイナに変身、グレイはメルバを飛び出しその背中に乗ってハルケギニアの大力宇宙の大海原へと旅立っていった。
「ダアッ!!」
「あ…!」
ルイズはようやく正面を向いたが、すでにサイトの姿はなかった。空には三人のウルトラマンが空に消えて行こうとしていた。
「忘れないんだからね…サイトおおおおおお!!!!」
ルイズは泣き崩れて叫び、そんな彼女を、キュルケをはじめとした仲間たちが支えてあげた。
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