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□File8
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〈パーティクルフェザー!〉〈覇風撃!〉
「ヤ!ヤ!オリャ!」
ザギはゼロ目掛けて光弾を二発、そして風の刃を放った。
「ハッ!」
ゼロは飛び上がって避けると、それを既に見切っていたのかザギは飛び上がって回転斬りを仕掛ける。
「シャ!」
〈ウルトラゼロディフェンダー!〉
ゼロは盾でその攻撃を防ぐも、防いだ時の衝撃は凄まじいものだった。
(シュウヘイの技を使ってきやがった!それに、なんて威力だ…!)
衝撃だけで床に押し潰されそうだ。だがそれだけでは終わらなかった。
〈氷狼牙!〉
「ラア!」
ザギがシュトロームソードを下に向けて落下し、シュトロームソードが床に突き刺さった瞬間氷の針山が飛び出してゼロを襲う。
「グゥ!?」
ゼロはバック転で後方へ避けていくが…。
「逃げるなよ?」
〈雷光閃!〉
背後からネクサスが雷撃をまとったシュトロームソードで突き刺してきた。
「ウワ!?」
早めに反応し避けたので深くは刺さらなかったが、肩が電気で痺れてきた。
「く…」
「サイト!」
ルイズは思わず叫んだ。痛みを堪えながらゼロはブレスレッドから三角型の飛び道具を取り出し、それをゼロスラッガーと一緒に飛ばした。
〈ウルトラゼロスパーク!〉
「デュワ!」
三方向からザギを狙って飛ぶ飛び道具たち。だが、強化した光の剣を一振りした時の衝撃だけでゼロの分身たちをすべ消し飛ばした。
〈連続パーティクルフェザー!〉
「…そこまでだ」
ザギの手から必殺光弾が何発も放たれた。
「グワアア!」
攻撃の一撃一撃が重たすぎる。まさに鬼のごとき強さだった。ノアとザギ自身の力を複合させた力、これほどのものとは…。
だが、目の前の友のために、そんな彼を思うテファのために負けるわけにはいかなかった。
〈ワイドゼロショット!〉
「デュア!」
〈オーバークロスレイ・シュトローム!〉
「シェア!」
二人の必殺光線がぶつかり合って爆発を起こす。
「く…」
衝撃でゼロは少しよろめいたがなんとか踏ん張り、拳を振り上げてザギに殴りかかった。
「デュア!」「グゥ…デア!」
ザギはゼロに蹴りを返した。
「グォ…デュア!」「シャ!」
今度は同時に膝と膝の蹴りが互いにぶつかる。
「デュア!」
ゼロが蹴ると、今度はザギが蹴り返す。
「デヤ!」
ほぼ互角のように見えてきたが、ダメージを大きく受けていたのはゼロの方だった。
「く…」
少しよろめいてきた。足がフラフラする。それでもなんとか戦い続けようと足を踏ん張らせる。立派なやせ我慢だった。

「負けられないんだ…!」
このまま押されて終わりだなんて結末はごめんだし、なにより仲間を助けなくてはならないのだ。
再びブラスレッドに触れたゼロは、今度は槍を手にとろうとした。だが手に触れようとした瞬間ザギはシュトロームソードでウルトラゼロランスを弾き落とした。
「しまっ…!」
そしてザギの剣の嵐がゼロの体を斬りつけていった。
「セイ!ハッ!ハア!」
「グワ……!グゥ…」
傷だらけの状態となったゼロ。だがそのゼロにザギは、床を殴って容赦なく最強の光線を放った。
〈滅閃光!〉
「終わりだ」
「グワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
ファウストたちの使う闇の光弾を同じ形状の光弾の雨が、空から降り注がれたいくつもの巨大なレーザーとなってゼロを襲う。
「…!!」
仲間たち、特にハルナは思わずその光景に目をつむってしまう。
「シュウ…!!」
ジャンナインの中で彼女らとその戦いを見ていたテファの顔は、悲痛なものだった。
ザギに言いたかった。もうやめてくれ、シュウの体を返せ、と。でもそんなことをあのザギが聞き入れるはずもない。
「ぐ…」
ゼロはうつぶせに倒れていた。一方でまだ余裕のあるザギがシュトロームソードを向けてこちらに近づいてくる。
「その鎧、ノアが6000年前に遺しておいたもののようだな。それだけに強大な力がこもっている。だが所詮奴の力のほんの一部を分けただけのガラクタにすぎん。現に俺は自身の力だけでなく、オリジナルの力もプラスされたのだからな」
「ぐ…」
膝を付き、地面に手をつけた状態で剣を振り上げるザギを、ゼロは憎らしげに見上げる。
「死ね、用済みの道具」
(負けたら…ダメだ…負けられないんだ…!)
負けられないんだああああ!!!
ザギが剣を振り上げてきたその時、ゼロのガンダールヴのルーンが青い光を強く、視界を塗りつぶすほどの輝きを放った。
「…!?」
その影響で、ザギの体にも異変が起こった。彼の体が、紅い輝きを放ちだし、ザギは「ぐお!?」と、まるで痛みを感じたように悲鳴を上げた。
「ぐ…まだ抗うか…!!いや、その鎧が奴を…」
立ち上がっゼロはそのザギの異変を見逃さなかった。ザギの体の、また銀色のぶちが現れだしたのだ。自分のこのイージスを与えたノアのような。
イージスの存在が、ザギの中に封じられたノアとシュウヘイの意識を呼び覚まそうとしているようだ。
もしかしたら、これで彼を助けられるかもしれない。意を決し、ゼロは駆け込んだ。
〈エメリウムスラッシュ!〉
「デュワ!」
額のビームランプから緑色の閃光を放ってきた。
感じる。彼と同じように、自分もパワーアップした感覚。今のシュウヘイが陰とすれば、自分は陽といった感じの力。いける!と頷いたゼロはザギに突出した。
「ハアアアア!」「シェアアア!」
ガン!拳と拳のぶつかり合いは金属をぶつけ合ったような音を奏でる。
「デュワ!ダア!デ!ジュワア!」
ゼロの拳の嵐がザギに次々と当たっていく。
「シャ!ハッ!デ!オリャ!」
同じようにザギの蹴り技がゼロを襲う。
「ハアアアア!」
〈炎竜昇!〉〈氷狼牙!〉
ザギは炎を纏った剣で切り上げ、次に剣を床に突き刺して出現させた氷の針山でゼロを攻撃。
「グワア!!」
「ハア…ハア…ぐ…くそ…」
今の一撃はあまり重みがない。一体どういうことなのだろうか。ザギの力が、先ほどよりも弱まっている。初めてあの姿を見せつけた時のように、銀色のぶち模様が現れてから調子が狂いだしている。
「…?」
特にこの事態に注目していたのは、テファだった。よく見ると、あの銀色のぶちたちが座着の本来の黒い体をじわじわと銀色に塗り替えしていっている。それに呼応してザギの力が落ちていく。
(まさか…)
「デア!ハッ!」
ウルティメイトゼロのラッシュ攻撃を立て続けに受けるようになり、ザギのダメージが蓄積していく。
しかしザギにも長きに渡って確立されたプライドがある。こんなところであんな若造に負けてたまるか、負けるはずがないと思っていた。
今ゼロはL字型に両腕を組んでいる。ザギも背中の翼『ザギイージス』にエネルギーをほとばしらせ両腕に流し込み、突き立てた左腕に拳を打ち付けている形で両腕を組むと、ゼロと同じタイミングで必殺光線を放った。
〈ワイドゼロショット!〉〈ライトニングザギ!〉
「「デアアアアアアアアアアアアア!!!!」」
二体の必殺光線がぶつかった影響で、辺り一帯は一瞬目に見えないほどの目映い光に包まれた。
その光が晴れた時、ゼロはウルティメイトゼロソードの剣先を、目の前で膝を着いているザギに向けていた。
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