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□File7
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ベリュドラ以上に凄まじいパワーアップを遂げたベリアルの力はあまりにも強大だった。
「グワア!」
アークベリアルの巨大な拳がゼロを殴り飛ばした。
「く!ゴルザ!」
グレイモンはゴルザ・メルバ、そして新たにモンスロードしたキングバモスに指示を出し、炎弾を発射させる。
〈獄炎弾!〉〈ショットガンアイス!〉〈エレクトリックスパーク!〉
だが、アークベリアルはなんと口を開けて三体の怪獣たちの必殺技を喰らうどころか、『食って』しまった。
「不味いなこれは」
しかもご丁寧にバリバリと貪っている。
「く…食った!?」
「今更だが息子よ。私と共に行く気はないのか?私はお前だけは手にかけたくはない…」
「うっさい!あんたみたいな親父は人生最大の汚点だ!」
グレイモンがそう叫んだ時、ベリアルの口から必殺光線が放たれ、グレイモンやゴルザ、バモスに直撃した。
〈アークデスシウム光線!〉
「バカ息子め…!」
「うわあああああ!!!!」
破壊力抜群の光線を喰らったグレイモンたちは吹っ飛ばされ、意識を失った。グレイモンはその影響で元の姿に戻ってしまう。
「グレーーイ!!!!!!」
「貴様もだ…小僧!」
「グワ!」
彼はアークベリアルの拳によって床に押さえつけられた。
「平賀君を…」
「サイトを…」
『離せ!!』
ジャンナインが両腕をはじめとした体中の砲口より、床に抑えられたゼロを開放しようと、ベリアルの腕目掛けて砲撃した。
〈ジャンキャノン!〉〈ジャンレザー!〉
しかし、ベリアルの腕はその火力さえものともせず、そのままゼロを床に押さえ込んでいく。やがて床のほうが耐え切れなくなり、ゼロの押さえつけられていた床が突き破られ、ゼロは空いた穴から地上に向かって落下していった。
「うわあああああああああああ!!!」
何マイルもの上空から落下し、ゼロは地上に激突してしまい、彼の落下した場所に大きなクレーターが出来上がっていた。
「く…」
今の攻撃がかなり聞いてしまったためか、全身に凄まじい痛みが襲う。
「ゼロ、大丈夫!?」
メルバに乗ってきたグレイモンが真っ先に降りて彼の安否を確認する。見たところ、大ダメージを受けただけで済んだようだ。あとに続いてルイズたちを乗せたジャンナインが降りてきた。
「平賀君、無事!?」
「サイト!」
さらに、ゼロの地上落下を見つけたのか、ミラーナイト・グレインファイヤー・ジャンボット・ペンドラゴン・地球の飛行兵器に乗ったギーシュらが駆けつけてきた。
「サイト、大丈夫か!?」
マットアローから声をかけるギーシュ。
「なんとか…」
ピコン、ピコン、ピコン…。
ゼロはよろよろと立ち上がって平気なふりをする。だが、もうゼロの体力はカラータイマーが赤になっているとおり、限界に近づきつつあった。
「ゼロ、お前なら私を打ち破って未来を紡げるだけの力があると思ったが、もう終のようだが…やはりお前の理想と力はその程度のものだったようだな」
マレブランデスからゼロたちを見下ろしていたベリアルはもう見限ったようにため息を着くと、口に赤黒いエネルギーを集めていく。地上=エメラダ星に向かって、そのエネルギーは光線となって放出され、まっすぐ地上に落下していった。
〈アークデスシウム光線!〉

―ベリアル、すべて破壊しろ
――ウルトラマンを、この宇宙から消しさるのだ
――この宇宙を支配するのはザギでもあんな生ぬるいだけの青二才どもではない
――このレイブラッド星人だ!

「止めだあああ!!」
「マズイ!」
いち早くグレイモンがメルバをよこし、メルバはベリアルの光線を防ごうと氷の壁を作り出した。それを強化しようとミラーナイトが氷の上に鏡を、ゼロがバリヤーを張ってより強固なものとした。
「全艦急げ!『反射(カウンター)』で彼らの守りを固めろ!」
ビターシャルの命令で、エルフの軍の艦隊がゼロたちの背後に周り、その艦に乗っていたエルフたちは口語で呪文を唱え始め、出来上がった盾をさらに強化。そしてそれをゼロ・ミラーナイト・グレンファイヤー・ジャンボット・ジャンナイン・ダイナの六人がかりで持って、ベリアルの光線を相殺しようとする。
「クマノ、ペダニウムランチャー発射!敵要塞の敵に向けて撃つんだ!」
「了解!」
「わしらのアバンギャルド号の威力、思い知らせろ!!」
「「うおおおおおおお!!!」」
「超振動波だ!」
ペンドラゴンでヒュウガの命令を聞いた熊野はトリガーを押し、ベリアルに向かってペダニウムランチャーを発射した。同時に、アバンギャルド号からもペダニウムランチャーに匹敵する高威力レーザーが、そしてジュリオの命令でゴモラから超振動波が発射された。
しかし、ベリアルの眼前に来たところで、ベリアルの光線によってあっさりと相殺されてしまった。
小惑星を粉々にしてしまうほどの威力を持つ砲撃と、他にも怪獣を一撃で倒せるほどの威力の砲撃が、防がれた。
「なんて威力だ!」
「くっそ!」
「うぅ…!!」
ジャンボット内部のアリィーは額から大量の汗が流れ落ちていた。そんな彼を支えようと、ルクシャナも彼の手を握る。
盾が、段々とひび割れていく。そして光線の余波がヒビから漏れ出し、地上に直撃していく。
「あだだ!」
漏れ出した光線を手に受けて、グレンファイヤーは手を痛める。
「こ、この光線をこの星が受けたら…」
ジャンナインの体内でハルナが口を開くと、ルイズが「ど、どうなるのよ?」と尋ねる。
「星の核にベリアルの交戦が直撃し、この星は破壊されてしまう!」
そう、この光線は決して避けても受けてもダメなものだった。あまりの高威力のため、星の地を貫き通し、星の核に直撃、エメラダ星が大爆発を起こしてしまうのだ。
「そんなことさせるかぁあ!!」
もう限界に近いのに、ゼロは加速するカラータイマーの点滅音を無視し、防御を続行する。
光線の威力はさらに上がり、盾のひび割れが広がっていった。
そしてゼロのカラータイマーの点滅速度も上昇していった。

ピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコン!

ピコン…。
キュウウウン…。

ゼロのカラータイマーは、ついに尽きてしまった…。

俺たちは絶対…負けな…ぃ…
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