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□File6
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「見事だゼロ」
ダークロプスゼロ=サイマが今度こそ最期を遂げると同時に、ようやく重い腰を上げてベリアルは立ち上がった。
「やはりお前には私が見込んだとおりの可能性があるようだ」
「…その可能性を見出すために、サイマを利用したのかよ…」
顔を自分の腕の中で今度こそ永遠の眠りについた仲間に向けたまま、顔を上げずゼロは怒りを無理やり押さえ込んだ声で言った。
「お前にはまだ私に対する躊躇いがある。それを取り除く手伝いをしてあげただけよ。これで、私と本気で戦えるのではないか?そう思わんか、息子よ」
「……」
グレイモンのバトルナイザーを握る力が先ほどよりも強くなっていた。少なくとも、こんな酷なことをさせるような父ではなかったのに。
息子として以前に、一人の人として許せなく思った。
「…許さねえ」
ゼロとグレイモンは同じタイミングで言い、立ち上がってベリアルに向かって身構えた。
「ベリアル、あなたは今でもこの宇宙を平和にするために動いているのは分かっている。だが、こんな卑劣な手を使うお前が、平和なんか作れるはずがない!」
「それはお前が本当に考えていることか?ゼロ」
「え…?」
マントを掴み、彼はビシュン!と玉座の前から姿を消し、マントだけが残った。そしてその一瞬で、ベリアルはマントを脱ぎ捨てた状態でゼロたちの前に降り立っていた。その手に、ギガバトルナイザーを握りながら。
「お前が正義と信じているものが、お前にそう思わせているだけだ!」
その一言を言い放った瞬間、またベリアルは姿を消した。
「フリャアア!!」
消したと思いきや、ベリアルはジャンナインの頭上に姿を現しギガバトルナイザーを振ってゼロたちに攻撃を仕掛けてきた。
「伏せろ!」
ゼロたちは床スレスレにまで届きそうな棍棒を辛うじて避けた。
〈ベリアルショット!〉
しかし、ベリアルが床を這う光弾を連射してくる。
「デルフ、頼む!」
「おうよ!」
ゼロはゼロスラッガーを投げつけてベリアルショットをかき消した。
〈ウルトラゼロランス!〉
さらにベリアルが一度姿を消そうとした瞬間炎の槍を構え、床に叩き落とした。
「ダアッ!」
「…!」
しかし、槍はベリアルにより、逆に彼の手にキャッチされる形で受け止められてしまう。
「そんな単調な攻撃では、擦り傷も与えられんぞ?」
そう言って飛び上がると、ギガバトルナイザーをゼロたちの方に投げつけてきた。
「ハッ!」「ちっ!」
投げつけられた棍棒を回避し、ゼロはウルトラゼロランスを振り上げてベリアルに突出するが、ベリアルは鋭い爪を研ぎ澄ませ、それを盾として防いだ。
「フン!」
〈カイザーベリアルクロー!〉
「グァ!?」
素早い動きで間合いを詰められ、爪で引っ掛かれたゼロは床に叩き落とされた。
すると、そのタイミングでベリアルに向かってジャンナインの一発の巨大レーザーがベリアルに襲いかかる。
〈ジャンバスター!〉
ベリアルも十字型に両腕を組んで、赤黒い稲妻を帯びた必殺光線を放ち、ジャンナインのレーザーとぶつかり合うことに。
〈デスシウム光線!〉
「喰らえぃ!」
「く!」
〈ゼロツインシュート!〉
「デュア!」
ジャンナインの光線は、なんとだんだんと押し返されていく。このままだとジャンナインに直撃してしまう。ゼロはゼロスラッガーをカラータイマーにセットして必殺光線を発射、デスシウム光線の起動をずらした。
「ゴルザ!」
グレイの叫びに応え、ゴルザはベリアルの光線が起動を外れたと同時に光線を発射した。
〈超音波光線!〉
直撃はしたものの、あまり効いてなかった。
「さすが…簡単には倒れてくれないか…」
「グレイ、地上のみんなが心配だ。全力で叩きのめそう」
「合点」
ゼロはゼロスラッガーを合体させ、ゼロツインソードを創りだす。
「いくぜ!」
彼は剣を振り上げ、ベリアルに向かって思い切り振り下ろした。
「当たれ!」
「効かん!」
ベリアルもギガバトルナイザーを風車のように回転させて、ゼロを蹴り飛ばした。
「隙あり!」
その背後からグレイモンの乗ったバモスが飛び付き、ベリアルの肩に噛みついて地上に叩きつけた。
「グヌ!?」
いつまでも噛まれたままではいられないベリアルはバモスを振り払うと、ギガバトルナイザーを床に突き刺した。
「踊れ!」
黒い雷がギガバトルナイザーから放出され、ゼロたちを襲う。
「ウワ!」「グゴ!?」
さらにベリアルは目から怪光線を放ってゼロを攻撃、ゼロを壁に叩きつけた。
〈カイザーアイビーム!〉
「グワア!」
グレイモンも黙って見てはいなかった。攻撃後の隙を狙ってバモスやゴルザに指示を出し、攻撃させた。
「今だ!」
〈獄炎弾!〉
〈エレクトリックスパーク!〉
「「ガアアアア!!」」
「ハッ!」
ゼロは飛び上がり、ガンダールヴのルーンを光らせ、ベリアルに向かってロケットのごとく突進、必殺の一太刀を与えた。
〈プラズマスパークスラッシュ!〉
「ダアアアアア!!!!!!」
「ゴハ…」
ベリアルは胸元に深い傷を負わされ、よろよろと後ろに数歩下がった。
「少しは、やるようになったようだな…ならば、怪獣ども!!私に力をよこせ!!」
ギガバトルナイザーが光り、それに埋め込まれた百の小さなモニターから百体の怪獣の魂が飛び出し、ベリアルを包み込んで姿を変えていく。
「怪獣を、吸収してるのか?」
「しかも、なんて数…」
ゼロ・グレイモン・ハルナ・ルイズ・テファ・ジャンナインはただ呆然とその光景を見て固まっている。
すべて吸収したところでベリアルのからだが一瞬まばゆい光に包まれた。
バルタン星人・ゼットン・メトロン星人・ペドレオン・ガルベロス・ガイモス・ベムスター・ブラックキング・レッドキング・ベロクロン・サボテンダー・バードン・ゴルドラス・べギラ・ミーモス・アルギュロス・コッヴ・パズズ・ディノゾール…その他多くの怪獣たちが、光の晴れた場所で自分たちの体を合成させられ、巨大な悪魔のような巨人となっていた。その悪魔の頭の、二本の角の間にベリアルがいる。
ベリアルは百体の怪獣と合体し、『合体怪獣ベリュドラ』となった。
「い、いろんな怪獣と合体した!?」
「喰らえ!!」
ベリュドラの体中から凄まじい光弾を発射し、ゼロたちに向けてぶつけまくった。
「ウワアアアア!!」「グワアアアアア!!」
凄まじい爆発が彼らを襲。だがベリアルの攻撃はまだ終わらない。電撃、炎の弾、水流がさらに彼らを襲っていく。
「グワアアアアア!!」
「ウワアアアア!!」
さらに超音波や衝撃波が彼らを襲った。
「どうしたゼロ!お前たちの力はそんなものか!!」
衝撃波はさらにうねりを上げ、彼らの体をさらに痛めつけていった。
「さあ、一気に決めるぞ。次の一撃でお前たちに止めを刺すつもりで挑む。耐え抜いて見せろ!!」
〈ベリュドラインフェルノ!!〉
ベリュドラは強力な最終奥義を彼らに喰らわせようと、全身を赤黒く発光させたしたその時だった。
ドクン!!
「ぐう!?」
突然彼は体に異変を感じ、攻撃を中断した。
「なんだ!?」
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