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「目標前方15リーグに三機発見!」
それから直ちにエルフと人間たちの艦隊と竜騎士たちは攻撃態勢に入る。
「砲撃開始!被害の出ない地点へ敵を誘導せよ!」
エルフの艦の一隻にいる艦長が呼びかけ、艦隊は早速砲撃を開始した。
だがレギオロイドやダークロプスたちの装甲は硬く、とても大砲では傷を与えても倒すことは出来ない。
〈ダークロプススラッシュ!〉
ダークロプスの一体が竜騎士たち数名を狙って的確に光線を放ち、木っ端微塵に死体さえ残さず消し飛ばした。
「「ぐああああああああああ!!!」」
「あ、兄上ええ!!」
「仲間の死を嘆くのはあとだ!次は君が死ぬぞ!!」
一人のエルフ兵に、ゲルマニアの兵士の一人が喝を入れた。
だがこのままの調子だと、いくらハルケギニア中やエルフたちを結集させた連合軍を一斉に掛からせても歯が立たない。
「指定地点、高度3000リーグ到達まで後300リーグ!」
なんとか艦隊より小回りの効く竜騎士たちが魔法を使って自分たちに注意を引かせ、そして攻撃が飛ぶ寸でのところで避ける。惹きつける場所は、地上から数千メートル離れた場所。
次々と仲間が倒れていく中、ついに注意を惹きつけていた最後の一人が、レギオロイドのドリルが迫ってきた。最後の竜騎士が思わず顔を被った時、突然レギオロイドが砕け散った。
竜騎士が、そして艦隊の兵士たちは目をあけると、そこにはいかにも熱さをさらけ出した炎の戦士がいた。
「シャア!ひゃっほう!」
炎の海賊、グレンファイヤーである。そして彼の傍らに海賊船アバンギャルド号が浮遊している。
「これより我ら炎の海賊、微力ながら主らに助力しよう!」
船長のガルが、拡声器で艦隊に呼びかけた。
「へへ、実はすげえ頼れる仲間、連れてきたぜ」
彼の言う頼れる仲間、それはこちらにいた。グランデの怪獣の攻撃で、ペンドラゴンとガッツウィングは地上に不時着していた。
すぐ復旧しようとヒュウガ・オキ・クマノが作業に取り掛かっている。
「クマノ!他にダメージを受けた箇所は!?」
「これで最後です!」
とにかくあと少しでも急がなくてはならない。いつ敵が襲ってくるかわからないからだ。
が、ここでもまたさっきのように、ダークロプスの一体がペンドラゴンに近づいていた。
がその時、どこからか放たれた光線がダークロプスのカラータイマーに命中、光線を受けたダークロプスは爆発した。
「見たかあ!久々の超ファインプレー!!!」
このセリフで、今の助っ人が誰なのかわかった人もいるのではないだろうか?
ネオフロンティアスペースと呼ばれる次元の世界で、いまや伝説となった戦士。
そう、アスカ・シンことウルトラマンダイナである。
「ボス、システム復旧しました!」
「よし、直ちに発進だ!奴らに俺たちの切り札を見せつけてやれ!」
彼ら三人の必死の努力で、再びペンドラゴンは発進した。
この時、地上には既に沢山の、主に怪獣たちが群がっていた。
「キィィィイ!!」
『宇宙大怪獣ベムスター』『彗星怪獣ドラコ』『用心棒怪獣ブラックキング』『再生怪獣サラマンドラ』など多くのなど、多くの怪獣たちが地上の破壊のために、光弾なり火炎放射なりとやりたい放題をかましていた。
「よし…」
ヒュウガは認証カードキーをコンピュータにセットした。以前、今は亡きペダン星人ダイルから託されたあの兵器を解放するつもりだ。
「行くぞ…ぺダニウムランチャー、撃てええええええええ!!」
「うおおおおおおお!!!」
ペンドラゴンより、小惑星さえ破壊するほどの威力を秘めた超威力のレーザーが、怪獣軍団を木っ端微塵に砕いた。なお、怪獣たちが地上の盾代わりにくだったためか、地上へのダメージはさほど大きくなかった。
「アン、そろそろ僕も行くとするよ」
ウェールズはアンリエッタの方に向き直って言った。それを見て、彼女も強く頷く。
「必ず、帰ってきてください」
「うん」
十字型の光に身を包み、彼はミラーナイトに変身して、空を覆うマレブランデスを見上げた。
「シュウヘイ、君はそこにいるのか?僕らの敵、ザギとして…」
「ウェールズ殿下!」
彼の足元から声が聞こえてきた。ミラーナイトが自分の足元を見ると、そこに立っていたのは、ヴィットーリオとジョゼットだった。
「我々も連れて行ってください。この始祖から与えられた力が、今度こそ役に立つかもしれません」

一方、エレキングはタイラントたちの猛攻を食い止めようと、電撃を纏った尾で叩こうとしたが、タイラントは鋭い牙でそれをキャッチ、噛み潰す勢いでエレキングの尾にがぶり付く。
「キィイイ!!?」
そしてバラバの爪でエレキングを引っ掻き倒した。
「…ぐぁ…!」
三体共に戦わせている影響でジュリオのダメージはかなり大きかった。怪獣たちのダメージが彼の体にも影響を与え、痛めつけていく。
「どした?もう終わりか?」
くるくるとネオバトルナイザーを回すグランデ。
「お前は…なんで戦う…?」
ジュリオは聞きたかった。
「お前は別にレイオニクスバトルで頂点に立ちたいという願望さえも見られない…なのにどうしてだ」
「…姉貴がいたんだよ。俺には」
姉…?ジュリオはその時、自分に押し付けがましい道を与え、ただの人間以上の化け物にした自称姉、ケイトのことが浮かび上がった。
あのグランデも同じだったのか?
「姉貴は俺をレイオニクスとして覚醒させるために、自分の命を犠牲にしたんだ。俺に戦いを挑む形でな。だからただ楽しむだけじゃねえ。姉貴のためにも、戦いには勝って生き残ると誓った。レイオニクスバトルで、その頂点に立つことなんざどうでもいいのさ」
「そうか…」
ジュリオはヨロヨロと立ち上がる。
「だが、俺にも譲れないものがあるんだ…!うおおおお!」
彼はレイモンに変身、その現象に呼応しゴモラ・リトラ・エレキングも目をギラリと光らせ、さっきまで負わされたダメージが嘘のように立ち上がった。
「行け!ゴモラ、リトラ、エレキング!」
「「「ガアアアアアア!!」」」
三体の猛攻が始まった。ゴモラはメカゴモラのしっぽを掴んでハンマー投げのようにブンブン回して吹っ飛ばした。
「グオオ!?」
リトラは炎に身を包み、その炎で作った自分の分身を飛ばしてをレッドキングを攻撃。
〈ファイヤーストライク!〉
「キエエ!」
レッドキングの体はどんどん炎に包まれ、レッドキングは身動きがとれなくなった。
エレキングはタイラントの体に自分の尾を絡めると、身体中から凄まじい稲妻を起こした。
〈エレクトリックテール!〉
「…っの野郎…!」
グランデにも怪獣たちのダメージが伝わってきた。だがやられっぱなしのままでいるわけにもいかず、メカゴモラは身体中のエネルギーを絞り出していく。同じようにゴモラの自分の角に体中のエネルギーを貯めていった。
そして同時に、二体の必殺技が炸裂した。
〈超振動波!〉〈メガ超振動波!〉
「「ガアアアアアアアアアアアア!!!!」」
ゴモラの超振動波がメカゴモラのメガ超振動波を跳ね返し、メカゴモラにヒットした。
「ぐああああ…!」
グランデにもかなりのダメージが伝わってきた。
今メカゴモラは動けない。今のうちにと、ゴモラはメカゴモラに止めを刺そうとした。だが、レイモンはそれを止めた。
「もういい。みんな」
ゴモラたちは後数センチのところで自分たちの爪をしまい、光のカードとなってレイモンのバトルナイザーに帰った。そしてレイモンもまた、元のジュリオの姿に戻った。
「なぜだ…?なぜ止めを刺さない…?」
「ただ目の前の敵を倒せばいいってわけじゃない。サイトからそう教わっただけだよ」
「ああ、そうかい…」
グランデは自分の怪獣たちをバトルナイザーに戻すと、ジュリオに背を向けた。
「まあ、おかげさまで生き抜けそうだ。あんたらにかまってたら命がいくつあっても足りねえ。俺は生きるために逃げさせてもらうぜ」
「グランデ…」
「そのウルトラマンに伝えときな。少しは考えを改めないと、いつか死ぬぜってな」
グランデは指笛で自分の宇宙船を呼び出し乗り込むと、どこかへと飛び去っていった。
〈ビームエメラルド!〉〈ジャンレザー!〉

ハルナ、そしてアリィーが操縦するジャンボット兄弟たちも活躍していた。次々と群れをなすように集まってくるダークロプスとレギオロイドに怪獣たち。それらをこの二機はへばることなく打ち倒していった。
『君は筋がいいな』
「あ、ありがとう」
ジャンナインに評価され、少し照れくさそうにハルナは礼を言った。同じようにジャンボットも自分の操縦者であるアリィーに一言言う。
『堅い太刀筋だが、剣の腕は優れているな』
「どうも…」
「少しは喜んだら?」
「べ、別にいいだろ!そんなこと…」
「それより見て!」
ジャンナインの内部にいるテファがモニターから外を指さす。大方、沢山のダークロプスとレギオロイドたちが標高3000メイル以上の地点に運ばれた。
「そろそろ作戦通り、私たちの出番ね」
「ええ」
ルイズとテファは互いに頷き合う。だが、モニターの画面が切り替わり、ヴィットーリオとジョゼットの顔が映った。彼女たちと連絡を取るために、アンリエッタからビデオシーバーを借りてきたのだ。
「聖下!?それに、タバサの…」
『ミス・ヴァリエール。ミス・ウエストウッド。ここは私たちに交代させてもらないでしょうか?私たちはまだ虚無の攻撃魔法を使ったことがない。その分多くの、虚無の魔法を使うための精神力が有り余るほどあります』
「しかし…危険です!」
『危険は承知で、あなたがたもここにいるのでしょう?作戦通り、地点での火石爆破は我々の魔法で行います』
『私からもお願いします』
二人に頭を下げられ、ルイズは仕方なくその案に承諾した。ヴィットーリオたちはミラーナイトの手のひらに乗せられ、上空へと運ばれた。
その間、ヴィットーリオとジョゼットはルイズも使う、おなじみのあの魔法の呪文を唱えていた。
エルオー・スーヌ・フィル・ヤルンサクサ…
指定された地点には、エルフの竜騎士が一人、そして新たにもう一人同じ標高で別の場所で、艦隊に守られながら龍の背にまたがっている。
「よし、敵が来た!」
「火石、投下!」
竜騎士たちが同時に効果し、艦隊と共に離れた瞬間ヴィットーリオとジョゼットの魔法『エクスプロージョン』の白い光球が発射、二人を乗せたミラーナイトが地上へ避難すると、投下した火石に引火し、群がっていたレギオロイドやダークロプスたちは…。
ドオオオオオオオオオオオン!!!!
空を赤い光で包み込むほどの大爆発に巻き込まれ、全滅した。
「やった!!」
ビターシャルがあらかじめ作っていた火石を配布し、上空におびき寄せ、そこで虚無の担い手のいずれかに火石を爆破させレギオロイドやダークロプスたちを一気に殲滅する。
作戦はみごと成功だった。
一度は人類を危機に追いやろうとしてもの、それが今度は人の命を守るために使われたことでビターシャルの心は満たされた。
だが喜ぶのも束の間、次は新たな刺客がマレブランデスの方から飛び出してきた。
「雑魚兵どもめ、一体何をしていのです!」
「まあ、よかろう。しぶとく生き残ってもらった方が楽しめる」
不満げに自分の部下のロボットたちに無能さに腹を立てているダークゴーネと、逆に面白い相手がいることに、いかにも戦闘狂らしいセリフを言うアイアロンだった。
だが、彼だけではなかった。二つの影が、新たに降りてきた。それも、特に地球人の目を疑わせるものだった。
「ふはははは!!この暗黒四天王デスレム様がこの世に蘇ったぜ!」
「…この不死身である俺の名を汚すとは…メビウスとセブンと、あの地球人のメガネ女はどこだ!!?」
アイアロンとダークゴーネとともに現れたのは、なんと6・7年前にウルトラマンメビウスとその仲間であるGUYSに倒された暗黒四天王の一員『策略宇宙人デスレム』と『冷凍星人グローザム』だったのだ。
「ででで…デスレムとグローザムだ!!」
無論オキは死んだはずの彼らを見て目を大きく見開くほど驚いていた。それは、ハルナもまた同じだった。
「さっきの怪獣の大群のこともある…」
彼女はモニター越しに映るマレブランデスを見上げた。通しすると、何か電波のような何かがマレブランデスから、デスレムとグローザムたちの方へ流れていく光景が彼女の目に映っていた。
「これは、バトルナイザーで怪獣とレイオニクスをつなぐ電波と同じ…やっぱり、あのマレブランデスに、ギガバトルナイザーを強奪した犯人が今回の親玉として居座っているんだわ!」
『ギガバトルナイザー?それはそんなに恐ろしいものなのか?』
ジャンナインが体内で自分を操縦する彼女に尋ねる。テファとルイズも気になる様子で彼女を見た。
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