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□File5
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父さん…
なんで…
なんで、侵略者の同族の人と結ばれたんだ?
どうしてオイラが光の国の学校でいじめを受けるネタを作ったんだ?
なんでオイラをいじめてたあいつらから助けようと思わなかったんだ?
母さんは、どんな人だったんだ?
あの〜?
誰?母…さん?
「もしも〜し」
「っ…?」
誰だろう?自分を呼ぶのは。この声、確かつい最近に聞いたような…
グレイは目を開け、起き上がった。
「あ、起きたんですか?」
その声の主の顔を見て、彼は驚愕の極みを感じた。
「タバサ…さん?」
「タバサ?誰のことですか?」
そのタバサそっくりの少女はなんのこっちゃと首をかしげた。確かにタバサと顔立ちがよく似てるが、特徴的な眼鏡もないし、某アニメの長○や○波みたいな寡黙さが見られない。むしろ明るさがまるっきし表れてる。
「私、ジョゼット。この修道院で育ったんだ」
ジョゼットと名乗った少女は二人のいるその修道院の聖堂の天井を指差した。人がすっぽり入るくらいの大きな穴が空いている。
「君、降ってきたんだよ。びっくりした」
「降ってきた?」
そう言えばなぜ、オイラはここにいるんだ?グレイは先ほどまでの記憶の糸を辿っていく。

確か盗まれたスピーダーαを探しに行ってた時のことだ。他のクルーたちがダイルと会話してる頃、彼は残っていたβ機を飛ばし、捜索を続けていた。
「どこなんだろ…?」
とその時だった。どこからか彼のスピーダーを狙って何者かが光線による攻撃を仕掛けてきた。
「うっ!?」
光線は何度も発射され、グレイのスピーダーβを墜落させようとする。
攻撃が激しすぎる。ここは一旦地上に降りるのが上作だろう。
スピーダーβを着陸させ、地上に降りたグレイ。そんな彼の前に、一人の男性が顔を出した。
「よう」
ピンっと指で耳に着けているピアスを鳴らす。どこかチャラチャラした感じの男だった。
「あんたは…?」
「俺はグランデ。キール星人のレイオニクス。お前は?」
「グレイ。光の国のレイオニクス…らしい」
まだレイブラッドに憑依された時の記憶が戻っていないため、自分がいつ、なぜレイオニクスになったのかわからずじまいだった。
「あ、まだあったのあの偽善者揃いの星。てっきりぶっ潰されたのかと思ってたぜ」
ウルトラマンを偽善者呼ばわし、またピアスをピンッと鳴らすグランデ。何も考えてないのか、それとも余裕の表れなのか…
「お前つよそうだな。俺を楽しませてくれるか?」
どうもグランデは好戦的性格がゆえ、戦いを楽しむ傾向が見られる。グレイは、この男の態度に苛立ちを覚えた。誰かに認められたい、と本能的に考えるグレイとは違う。
「オイラはあんたとは違う」
「はい?」
何言ってんの?と間抜けな顔をするグランデを無視し、グレイはバトルナイザーを手にとった。
すると、なぜかグランデはがっかりした表情を浮かべた。
「んだよ〜。お前『それ』か。期待して損したぜ。まっ、暇潰しにはなるかな」
そう言ってくるくると回転させながら彼が手にとったもの、それを見たグレイは目を疑った。
あれはバトルナイザーなのか?自分の持っているものとは大きく違い、まるで二本角のような突起と変わった模様が彫り込まれている。それは『ネオバトルナイザー』と呼ばれた。
【バトルナイザー、モンスロード】
グランデのネオバトルナイザーより紫に光るカードが飛び出し、一体の巨大な怪獣となって現れた。
ウルトラマンタロウが地球を守っていた時代に、数知れない怪獣の怨念から誕生し、たった一体でウルトラ兄弟を圧倒した強敵。
『暴君怪獣タイラント』。
「ゴルザ!」
【バトルナイザー、モンスロード!】
対抗意識を強め、グレイもゴルザを召喚する。
「ほう、少しはできそうだな。タイラント、相手してやれ。最初は手を抜いていけ。すぐくたばられたらつまんないからな」
「なめんなよ、ゴルザ!戦え!」
「グオオオオ!」
ゴルザはタイラントに向かって体当たりし、突き飛ばした。
そこからゴルザの猛攻が始まる。ラッシュパンチを喰らわせ、しっぽでタイラントの顔を殴り、飛び蹴りで押し出した。
タイラントも負けず、両手に装備された爪でゴルザに向かって攻撃する。
「ガアッ!」
「っぐう!?」
その時、グレイはまるで刀で斬りかかれたような痛みを感じた。その痛みの位置もゴルザの受けた箇所と同じ。まさか…
「なに驚いてんの?レイオニクス同士のバトルじゃ、怪獣の痛みはレイオニクスの痛みだ。
もし怪獣が死んじゃったらあの世行き〜」
「怪獣が死ねば、オイラが死ぬ…?」
「そのくらいスリルがないと面白くないだろ。お前変わってるな。レイオニクスは戦いに飢えた戦闘種族なのによ」
「お前…!」
グレイは力を振り絞り、再びバトルナイザーを掲げた。
「出番だ、キングバモス!メルバ!」
新たにグレイのバトルナイザーからメルバ、そして新たな仲間『変貌怪獣キングバモス』が現れる。
グレイはメルバに飛び乗り、空を駈ける。
「そんな面白い怪獣いるなら早く出しとけって」
タイラントはバモスとメルバの出現と同時に、三体の怪獣たちからの攻撃を受けた。
「一斉攻撃だ!」
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