ウルトラマンアグル 英雄の子と魔導師たち(完結)
□無印編/#1
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エメラダ星。
その星は遥か昔から深い闇とも言える策謀によって呪われていた。
特にハルケギニア大陸の人間とサハラ砂漠のエルフの対立、ハルケギニア各国の6000年もの争いと腐敗の歴史は酷く、いつ無関係な異星人や怪獣によってその星の知的生命体は攻め滅ぼされてもおかしくなかった。
だが、そんな滅亡の危機にあった星も、ある若き異星人の戦士とその仲間たちによって守られた。
目の前に自分たちより遥かに強大な力を持つ黒い巨人。そんな強敵を前にしても臆さなかった英雄たちの中の、二人の英雄。
そしてその心に二つずつ宿る四つの勇敢な心と魂。
それが、二度と輝くはずのないほど腐敗した世界を、もう二度と消え去ることのない輝きに満たした光をもたらした。
―これが…
―俺たちの…
―私たちの…
光だああああああああああああああ!!!!!!!!
青い月の光と同じ優しい輝きを持つ若きウルトラ戦士『ウルトラマンゼロ』と紅い月の光のごとき勇気を備えし伝説の『ウルトラマンノア』の必殺技が、彼らの最後の敵に炸裂した。
〈ファイナルウルティメイトゼロ!〉
〈ライトニングノア!〉
「ぐぉああああああああああああああああああああああああああああああぁぁああああぁああああぁぁああああぁぁぁああああぁ!!!!!!!!!!!!」
一矢の目映い矢と、闇夜を切り裂く光線が、敵を打ち砕いた。
爪痕は深く刻まれたものの、こうして永きに渡る闇の勢力の野望は消え、ウルトラマンとその仲間たちによってエメラダ星だけでなく、宇宙は救われたのだった。
そう、救われるはずだった。
その時世界は歪み出した。
「なっなんだ!?」
確かに敵を倒した。
だが、空間にできた歪みの中からいくつもの『何か』が飛び出し、ゼロとノアに襲いかかった。