ウルトラマンゼロ サーヴァント(完結)

□File8
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その頃、ルイズたちの乗っていた船は、どこからか現れた空賊たちに乗っ取られてしまった。
ワルドは応戦しようにも、たまたま船の燃料として使っていた風石が切れ、かわりにワルドの魔法でささえていたものだから抵抗できず、船員たちとともに捕らえられてしまった。
今二人は、牢屋代わりの物置に閉じ込められている。
(こんなときに、サイトはどこに行ったのよ!)
ルイズは仕方ないとは思っていたが、サイトがいないせいか不安を募らせていた。
「お前らは貴族だな」
空賊たちがルイズたちのところへやって来た。
「確かにそうだが」
「来い。頭がおよびだ」
言われるがまま、二人は頭の部屋に連れて行かれた。頭の部屋に招かれた二人は、その頭を見る。彼は見たところ年はサイトやシュウヘイと同じくらいだろう。机に足を乗せて座っている。
「頭、連れてきやしたぜ」
「へえ、こりゃ気の強そうな貴族のお嬢さんだな。可愛いねえ」
「黙りなさい下朗!私たちはアルビオン王党派の使いよ!そして私は大使よ!だからあんたたちに大使としての扱いを要求するわ!!」
「アルビオンで何をするつもりだ?あいつらは明日にでも消えちまうよ」
「あんたに言うことじゃないわ」
「貴族派にならないか?あいつらはメイジを欲しがってる。高い礼金をくれるだろうぜ」
「死んでも嫌よ」
ルイズの足が震えている。虚勢を張り切れるのも時間の問題だった。
「最後だ。貴族派にならないか?」
「うぐぐ…」
「済まないが、なるつもりはないよ」
そこにワルドが割り込んだ。
「なんだお前は?」
「彼女の婚約者だ」
「婚約者?」
「そうだ」
「ハハハハ!トリステインの貴族は気が強すぎてどうしようもないな!まあ貴族派の恥知らずよりも遥かにマシだがね」
「!?」
突然高笑いをあげる頭。気でも狂ったのだろうか?いや、違った。
「無礼な態度をとって済まなかった、レディ。僕はアルビオン王国皇太子、ウェールズ・テューダーだ」
頭だった男は服を整えた。なんとそれはウェールズだった。
「皇太子様!?」
「本当に…皇太子様ですか?」
ワルドの言葉に反応するように、ウェールズは左手の薬指にある指輪を見せた。それには緑色の宝石が埋め込まれている。
「風のルビーだ。君はアンリエッタから水のルビーを預かっているなら出してみなさい」
ルイズは水のルビーを取り出した。ウェールズは風のルビーを水のルビーに近づけると、小さな虹ができた。
「水と風は虹を作る」
「し…失礼しました!非礼をお詫びします…」
「ふふ、そうかしこまらなくていいよ。僕が先に始めたことだ」
頭を下げるルイズに、ウェールズは何事もなかったように言った。
「これが姫様から預かった手紙です」
ルイズはアンリエッタの手紙をウェールズに渡した。ウェールズは封を開き、手紙を読んだ。
手紙の内容は、アンリエッタが同盟のための政略結婚でゲルマニアに嫁ぐこと、そして同盟の妨げになった手紙の返却を求めるものだった。
「これは…あのアンリエッタがゲルマニアの皇帝に嫁ぐというのか…?」
「はい…」
「そうか…」
ウェールズは台の上の小箱を開け、ルイズに頼まれた手紙を取り出した。
「アンリエッタから頂いた手紙だ。確かに返却した」
ウェールズはルイズに手紙を渡した。
(ぼろぼろになってる。何度も読まれたのね)
ルイズはウェールズから受け取った手紙を見つめて思った。きっと彼もアンリエッタに対して…。
「このイーグル号は明日の朝に民間人を乗せ出港する。それに乗ってトリステインに帰るといい」
「王軍に勝ち目はないのですか?」
ルイズは恐る恐るウェールズに尋ねた。
「残念だが勝ち目はない。和が軍は三百、相手は七万。我々にできることは勇敢な死に様を連中に見せるだけ。討ち死にする時は真っ先に死ぬつもりだ」
「そんな!何故負けるとわかって戦うのですか!?どうか亡命なさってください!姫様が自分の愛した人を見捨てるはずがありません!」
「僕とアンリエッタが恋仲と?確かに僕とアンリエッタは愛し合った仲だ。だがアンリエッタの恋文がゲルマニアの皇室に渡ったら婚約は破棄され同盟は成らず、トリステインは一国であの貴族派に立ち向かわなくてはならない。アンリエッタは王女だ。情に流され自
分の都合を国の大事より優先させるはずがない…」
ルイズはそれを聞いて黙り込んだ。目尻に涙が溜まっていく。ここで、彼の説得を試みたが、現実はそれを許さなかった。
「君は大使に適任な真っ直ぐな子だ。だが何事にも真っ直ぐでは大使は務まらないよ。しっかりするんだ。さて、そろそろニューカッスル城だ。案内しよう」
ルイズたちはウェールズに出口へ案内された。

半機械の闇の巨人ダークロプスゼロによって、次元の狭間に飛ばされてしまったゼロ。
その彼は今、不味い状況に陥っていた。
「く、こいつら…どこから沸いて来たんだ!?」
今、ゼロたちの前に初代ウルトラマン、ウルトラセブンにウルトラマンエースの偽物ロボットが立ちふさがっている。ゼロを倒すためにロプスゼロが送り込んだ刺客と思われる。
『ロボット超人ニセウルトラマン』『ニセウルトラセブン』『ニセウルトラマンエース』は一斉にゼロに襲いかかってきた。
「シャ!」
「デュア!」
「トワア!」
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