オリジナル

□闇と氷の少女
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キィ…と牢屋が開けられる音がして、時間かと覚悟を決める。
いつもの、彼らの実験に使われる注射。
彼らはいつも、チカラを持った人間を連れてきては、牢屋に閉じ込め、注射を打っていたのだ。

その注射は栄養剤と聞いていた幼かった私と弟は、幼かったがために、週に三回程度だったが、一緒に連れてこられた母は毎日の様に注射を打たれていた。

今日は白衣を着た彼らが母に二回続けて射ったのだ。
異常だと止めるべきだったのかもしれない。
でも、その時母は笑っていた。
笑って、それはもう狂気な程に笑って、口から血を吐いて、死んだ。
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