オリジナル
□大好きだから
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「大好きだよ!祐樹!」
・・・朝っぱらから何をいってるんだろうか。
学校に行く途中だぞ。みんな変な目でこっち見てるじゃないか。
「祐樹、どうしたんだよ?」
笑顔で笑ってるこいつを見てると心底イラッとくる。こいつは女ったらしでいつもいつも女をはべらせて。なんで俺が朝迎えに行く必要があるんだ。そこらの女に起こしてもらえばいいものを。
「おーい?どうした?」
この前なんて女と間違えて抱き着いてきた。
そんなに欲求不満ならはべらせてる女にやらせてもらえ。俺に抱き着くな。鳥肌が立つから。
「なんでも、ねーよ」
俺のそんな心を知らずにいつものように笑って大好きだよという。意味が分からない。
いつも女に好き好き言ってるくせに。
こいつに泣かされた女はどれくらいいるのだろうか。復讐しようとか言ったら乗ってくるかな。こいつを思いっきり泣かせてやりたい。
いつも余裕そうな顔でホントイラつく。
「亮介、女の子が待ってるぞ。行かなくていいのか?」
「え!マジで!?・・・いいや。今日は祐樹と一緒にいたい。」
ニッと笑ったこいつに呆れた目を向け、女の方に目をやると、亮介を見てた視線がこっちを見た。なんだよ、そんな目で見るなよな。
こいつが言ったんだから。