▽main

□余韻。
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「う、上埜、さん…、?」

じりじりと距離を縮める上埜さんを正面に、後ろは壁。上埜さんとの距離が、声が、香りが、凄く近くて、動悸が高まるのが自分でも解る。

『美穂子は私の事、好き、?…嫌いなら逃げても良いけど。』

左の頬に掌が触れる感覚。逃げる訳が無い、私も、私だって、私の方が――ッ。

「――き、です。」
『うン…?』
「〜ッ、好き、です…。」
『…うん、知ってる。美穂子の顔、真ッ赤よ?』

唇に、そッと触れるだけの、キス。
ふと上げた視線の先の上埜さんは、平然としてて、だけど少し柔らかい様な、そんな顔で私をじっと見てる。たった一度、一瞬。それだけで嬉しくて、幸せで。


敵わないなぁ…。
ねぇ、上埜さん。私…、私は貴女の事が、

―――――……"ダイスキ"なんです。

 
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