Novel

□Sister complex
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神様、告白します。
私は本当に愛しい人を殺しました。
本当に愛しくて、本当に大切で、本当に大好きだった人です。
許して欲しいとか言いません。赦して欲しくもありません。
でも、後悔はしています。
だから私は懺悔するのです。


私には三つ違いの姉がいました。
私達はいつも、何をするのも一緒でした。
いつも私の手を引いて、私を慰め、何よりも強くて優しいお姉ちゃん、そんなお姉ちゃんは私の自慢でしたし、何物にも代えられない、何よりも大切な人でした。
私はお姉ちゃんが大好きでした。
いつまでも一緒にいられると思っていました。
私の隣はいつまでもお姉ちゃんの場所で、お姉ちゃんの隣はいつまでも私の場所なのだと思っていました。信じていました。

だんだんお姉ちゃんは私と手を繋ぐ事がなくなりました。
だんだんと、お姉ちゃんは私と話さなくなりました。
だんだん…お姉ちゃんは私と会わなくなりました…

悲しかった…寂しかった…
それでもまだ、お姉ちゃんの一番は私だと、お姉ちゃんの隣は私だけの場所だと思っていました。信じていました。


あの時までは…

私は見てしまった…
お姉ちゃんが男性と一緒に町を歩いている姿を…今までは私だけに見せていた笑顔を浮かべて楽しそうに話している姿を…

隣は私の場所なのに…
一番は私のものなのに…
なんでっ?!
なんでそんな男の隣で笑ってるの?
なんでっ?!
なんでそんな男に笑いかけてるのっ?!
お姉ちゃんの一番は私じゃないのっ?!
お姉ちゃんの隣は私の場所じゃないのっ?!

いつまでも私の隣はお姉ちゃんの場所だった…
いつまでも私の一番はお姉ちゃんだった…
でも…
お姉ちゃんは違った…
お姉ちゃんの隣はあの男のものになった…
お姉ちゃんの一番は私からあの男になった…

それが許せなかった!


私はお姉ちゃんにあの男のことを問い詰めました。
お姉ちゃんの一番は私じゃないのか?お姉ちゃんの隣は私の場所じゃないのか?
でもお姉ちゃんが私に言った言葉は余りにも残酷過ぎるものだった…

『いい加減にしてっ!あんたはいつまで私に付き纏う気?いつまでも私に付き纏うなっ!ウザイんだよ!』

私は目の前が真っ白になった。
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