Novel
□対立する世界の物語
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朝と夜の物語
朝は夜のために、夜は朝のために
朝が明るく輝き照らすのは、それが自らの望む所であると共にそうせざるを得ないから
夜が暗く包み込むのは、それが自らの望む所であると共にそうせざるを得ないから
朝が明るく輝けばその度に夜を遠ざける
夜が暗く包み込めばその度に朝を遠ざける
お互いに侵蝕しあうしかなく、輝けば夜は消え、包めば朝は消える
それでもお互いにただ侵蝕する以外に術を持たず…
逢えないとわかっていても回り続けるのはそれでもまだ逢いたいから
朝は夜のために
夜は朝のために
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