Novel

□血の盟約
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少年の血が皮膚に触れている者は、触れたところから溶け出した。
動き出した血液は、次々と少年の敵を殺していく。
その場は騒然となった。逃げ出す者もいれば、血液に向かって発砲する者もいた。
その血液は少年の意志で動くのか逃げ出そうとした者をも襲い、次々と敵を殺す。
そして、殺した人間の血を取り込みさらに大きくなっていく。
少年の手首の二本の傷からはまだ血が流れ続けている。
血を流しすぎたのか少年の顔は病的なまでに青白い。しかしそれでも少年の瞳から強い意志は消えなかった。


少年の手首から流れ落ちる血と、血液が動くたびに飛び散る血、そして少年の敵が倒されるたびに撒き散らす血・・・
それらが皆赤い花弁のように舞い散る。
その中を少年は踊るように動き敵を倒した。
赤い花弁は止まることを知らず舞い続けた・・・
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