Novel
□血の盟約
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少年は自分の血と他人の血、二つを浴びて真っ赤に染まり、血の赤の間から覗く少年の白い肌は怪しい雰囲気を纏っていた。
それはまるで少年が戦の神とでも言うような・・・
そんな少年の姿に敵は引き金を引くのを躊躇った。
少年はその瞬間を見計らったように口を開いた。
その声は幼さを残した、少し高めの澄んだ声だった。
「我が血は契約の贄、楽園より堕とされし者の代償、今此処に我が血を依代とし古の契約の獣を呼び覚ませ・・・」
少年が呪文のような物を言い終わると少年の血が飛び散ったところから、血液が意志を持ったように動き始めた。