Novel

□Haiding Lust
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優しく赤い口唇に口付けた。

長い睫毛も透き通る様な白磁の肌も、艶めくその長い黒髪も、その血色のいい赤い口唇も、小さいけれど形のいい乳房も細い脚も、みんな私のモノ…

沙耶は綺麗だ。例えるなら日本人形の様。
凛として気丈で、それでいて優しい。
そんな沙耶が私は大好きなんだ。

ねぇ沙耶、貴女は私の気持ちに気付いてないよね?
きっと私の気持ちは受け入れてくれないよね?
だから、きっと貴女にはいつか彼氏ができるの?
そしてその肢体を彼氏に見せるの?
そしてその彼氏にその綺麗な身体を汚させるの?
そんなことはさせない。
そんなことは許さない。

男なんかに沙耶は渡さない!

沙耶は誰にも汚させない。
沙耶は私のモノだ。

だから貴女が男に汚される前に、老いてその身が朽ちる前に、全て私のモノになって?

優しく口付けて毒を飲ましてあげる。
そしてその身を剥製にして飾ってあげる。
いつまでも私と一緒にいて?
毎日貴女の身体を清めるわ。
毎日貴女を綺麗に着飾るわ。
そして私が死んだとき同じ棺に入って一緒に焼かれて、同じお墓に入るの。
ずっと、永遠に一緒にいよう。
沙耶、貴女が他の誰かのモノになるなんてイヤ!
沙耶、貴女は私とずっと一緒にいて?

この気持ちは気付かれちゃいけない。
この気持ちはずっと秘めておかなきゃいけない。
貴女に嫌われたくないもん。
貴女に嫌われるなら貴女が他の男のモノになった方がマシ。
でも沙耶、貴女が他の男のモノになるなら私は貴女の中に一生居続けてあげるけどね。
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