Novel

□血の盟約
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少年はどこか違う場所を見ていた。

その少年は、少年と言うにはもう大きく、しかし青年と言うにはまだ幼かった。

少年の周囲には仲間だった“モノ”が転がっていた。
ある者は片眼を銃弾が貫通し、ある者は腹を深く斬られ大量の血を流し、またある者は全身から血を流し、変形して、最早誰だったのか判らないほどだった。
そしてそこには少年の仲間以外の死体も転がっている。
少年の仲間よりも多く血を流し、少年の仲間よりも多く死んでいた。
しかし、まだ少年の周りには大量の敵がいた。
皆、少年の一回りも二回りも大きかった。


少年はどこか違うところから現実に焦点を合わせた。
そして、左右の手に握る拳銃から残弾を確かめた。
右手の「破王」には六発、左手の「瞬皇」には五発、そして銃弾を入れておいたポケットの中には十八発残っていた。
少年は目の前の敵に焦点を合わせ、睨み付けた。
相手が一瞬怯んだ隙に少年は相手に向かって走り出した。
すぐに敵は反応し、少年に向かって、一斉に襲いかかった。
大量の銃弾が少年のすぐ横を掠めた。
それでも少年は怯むことなく確実に敵を倒していった。
しかし、少年の残弾よりも残っている敵の方が明らかに多い。
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