黒バスmain

□君の行く先を見つめ
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今日から高校に通うことになった黄瀬涼太は周りを囲む女の子に道を塞がれてまいっていた。
「あの〜学校遅れちゃうんでちょっとごめんね〜」
女の子達を掻き分けまた歩き出す。
モデルの仕事を始めてからといば、外出する度女の子にあっという間に囲まれる日々。
最初は困惑していたものの大分慣れてきた。
ようやく校門が見えてきた頃、黄瀬の携帯が鳴り出した。
携帯を開くとメールを受信したという旨。
(そういえば入学式はマナーモードにしなきゃだっけ?)
メールの送り主を確認し、パタリとマナーモードに設定してから携帯を閉じた。
ー青峰大輝ー中学時代黄瀬が憧れを抱き共にバスケで全国制覇を遂げた仲間。
そいつが今更何の用だと言うのか。
別に仲の良かった訳でも悪かった訳でもない、相手はもしかすると仲間だった、という意識もないだろう。
頭を切り替え校門をくぐり抜けようとした。
「君が黄瀬君ですね?ようこそ海常高校へ。君の事は帝光中学の顧問の方から聞いています。」
「うわぁ!?」
誰もいなかったはずの真横から声がかかり、驚きに思わず声を上げてしまった。
見やれば、同級生くらいの男の子が立っている。
だが黄瀬と違い、その人は制服ではなくスーツを着ていた。
「え〜っと、どちら様っスか?」
「名乗り遅れました。僕は海常高校バスケ部顧問、黒子テツヤです。」
「こ、顧問!?」
「はい。」
不思議そうに黒子の顔を見つめながらその言葉が真実か図り兼ねていた。
「歳いくつっスか?」
「今年で26になります。…童顔で悪かったですね。」
顔に出ていたらしい。
少し不満そうに、それでも殆ど表情を変えずに言葉を続けた黒子に、黄瀬はただ苦笑いを浮かべた。
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