太陽

□太陽 3
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…辺りを見回し暗がりの閉店した店先にチャンミンを誘い

瞳を覗き込む

いつも静かに僕を見ているチャンミンの瞳が夜空に輝く星のように煌めいて


僕はその瞳を見るたびいつもどこか遠くへと連れ去られてしまう…
懐かしい思い出や幸せな記憶の中へと

僕は耽溺する

チャンミンに溺れてチャンミンの腕のなかで

息も出来ないほどの…



店先は段差があって僕より背の高いチャンミンが僕を見上げている

抱き寄せるとその瞳が閉じられて後はもう……





翌日は海岸の撮影

海なんて久々でどうしたってわくわくしてしまう
着くなり走り出し慌てるスタッフを尻目にチャンミンと遊んでいると


ここは月も綺麗ですよ、と教えてくれた



「…夜抜け出して散歩に来ようか」


僕の言葉に笑いだす


「馬鹿な事言って…」



太陽と言う名前の海岸で見る月



いつか見れるかもしれない…願わくばチャンミンとふたりで


僕達はよく太陽と月に例えられる


僕が太陽でチャンミンが月だと

でもそれは違う

僕達はその時々で太陽になったり月になったり


夜の暗い船出…大海原で月の光が無ければ迷ってしまう
あの時あの病室ではチャンミンはまさに月の光だった


まだ太陽の光に耐えられない僕を柔らかな月の光で包んでくれた


今こうして振り返ると


君が笑っている


遠いスペインの空の下で



まるで太陽のように

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