黒龍の章〜飛影×蔵馬〜
□【Promise night】
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「鴉に。。。」
ポツリと呟いた言葉を飛影は聞き逃さなかった。
「何度イメージしても鴉に勝てないんです。最後は必ず血塗れの俺を見て奴が笑ってるんです。。。」
ポツリポツリと独り言のように言葉を重ねる。
「殺し合う事が当たり前の大会なのに、自分が殺さる可能性も分かってたはずなのに......」
今にも消え入りそうな声で話す蔵馬を飛影はただじっと見つめるだけ。
「この星空を俺は明日も見れるのかな?って思って.........」
「...............」
大方そんな事だろうと思っていた。蔵馬が決して弱いわけじゃない。寧ろ本気のこいつには俺も適うかどうか。。。
その蔵馬を追い詰めるほどの相手なんだろう、その鴉とやらは。
おそらく蔵馬は既に鴉と何らかの接触があったに違いない。まあ聞いたとこで正直に話してはくれんだろうがな。
「お前お得意の "あなたに心配をかけたくなかって"やつか?ん?」
翡翠の瞳を捉えたままやっと飛影は言葉を発した。
蔵馬は黙ったまま。
沈黙が意味するのは、きっと【肯定】。
「相も変わらずバカな狐だな、お前は」
そっと蔵馬の耳元に顔を寄せ囁いた。
「やっ。。。」
耳元にかかる吐息の擽ったさに思わず声が漏れる。
「独りで抱え込まんで吐き出せばいいものを」
言い終わるが早いか飛影は蔵馬の耳朶にかみつき、そのままなぞるように舌を這わせていく。
「やっ。。。あんっ。っっ。」
鳥肌が立つ感覚に思わず甘い声が漏れた。蔵馬の胸のボタンを片手で器用に外しながら、噛みつくように口付けた。
激しく舌を絡めながら口内を犯していく。
「んっっ。。。はぁ。。。ふっっっ」
酸素を取り込ませる時間さえ与えない程、深く激しく翻弄していく。
やっと離れた二人を銀の糸が名残惜しそうに繋いでいた。
「ひっ。。。えぃ」
瞳を潤ませながら、両腕を飛影の首に回す。その手に力をこめると蔵馬は自分へと飛影の上半身を引き寄せた。いつもとは違う行動に飛影の表情に驚きの色が浮かぶ。
「ねえ。。。飛影。。。。」
次の蔵馬の行動に飛影が固まった。