企画室〜薔薇色の小箱〜

□【special対談★蔵馬vs蔵馬?】
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「あっ.....すみません、お待たせしちゃって。えっと....蔵馬です...って挨拶するのも変ですよね....ん〜っと......やっぱり幽助と一緒じゃダメ....ですか?二人きりっていうの緊張しちゃって.....」


「どーも。どうして自分相手に緊張なんかするの?」←片肘ついて冷たい言い方。


「だって....自分相手って言っても、実際は自分じゃないですし......あの、幽助連れてきていいですか?あっ、何なら貴方の幽助も一緒に.....」


「はぁ(溜め息)とにかく座ったら?オレは別に幽助を呼ぶ気はないし。」


(何か怒ってるみたい.....やだなぁ.....)


「え〜....でも.........」


「オレは二人で話したいんだけど?あなたにお礼もしたいしね?」

蔵馬、ニッコリ。


「お礼?ん〜....?.俺何かあなたにお礼をされるような事しました?」


「幽助が世話になったでしょう?傷まで土産にくれて。」

蔵馬益々ニッコリ。


「あっ!!あれはぁ、あなたの幽助が強引に...っっ!!それに、あなただって俺の幽助にキ....キスマークなんかつけて。どういうつもりなんですか!!??」


蔵馬ちゃんムックリ怒ってます。


「どういうつもりも何も、君に挨拶代わりにと思っただけだよ?」

しれっと真顔。

「悔しかった?」

フッと目を細めて笑う蔵馬。


「悔しくなんか......だって幽助が誘いをかけた訳じゃないってあなたの幽助が言ってたし.....あなたの幽助は誘いをかけてきましたけど。そっちの方が悔しいんじゃないですか??」


「………。」

蔵馬、無表情で黙る。


「それに、幽助はもう絶対に俺を不安にさせるような事はしないって言ってくれましたし....だから俺はぜ〜んぜん悔しくなんかないです!!」


「へぇ?…本当に優しいね、君の幽助は。オレが貰ってもいい?」


「だ...ダメに決まってるじゃないですか。幽助は俺だけの幽助なんですから!!あなたにはあなたの幽助がいるのに。何でそんな事言えるんですか?信じられない.......(-_-;)」


「冗談も通じないのか。君、いつもそんな感じなの?そんなんだといくら優しい君の幽助でも疲れちゃうんじゃない?」


「........幽助はそんな意地悪な冗談言わないし.......」


(どこらへんが意地悪なのか理解出来ない…。)


「大事にされてるんだ?」


「.....うん///すごく大事にしてくれますよ////俺が嫌だなって思う事は絶対にしないし」


「ふーん。それ、幽助無理してないといいけどね。」


「.....それ、どういう意味ですか....?」


「別に?幽助の優しさに甘えて、我が儘言ってるんじゃないかと思ってね。」


「......幽助が....あなたにそういう話をしたんですか....?」


「……心当たりでもあるの?」

全くそんなことなかったのに、蔵馬ちゃんからかい中。
内心吹き出しそうなのを堪える腹黒蔵馬。


「心当たりなんて.....甘え過ぎかな〜とは思うけど我が儘言ってるつもりは.....」


「ふーん…。幽助、疲れないといいね?」


「.....もしかして幽助があなたの前で疲れてるようなそぶりを見せたとか....?」


「……どうだろうね?」


「.....どうなんですか?」


「…秘密。オレと(君の)幽助の。」

(なんて、ね。)


「幽助は...俺に隠し事は絶対にしないもん....」


「そうなの?じゃあ幽助がオレの膝で寝たことも知ってる?」


「......そんなの聞いてない.....」


「隠し事しないんじゃなかったの?」



(幽助が俺に隠し事するはず......)


「デタラメ言わないで下さい!!!そんな嘘信じませんから」


「別に信じなくてもいいけど。でもオレが君に嘘をつく必要あると思う?」



「.......それは.....でも俺は幽助を信じてますから。幽助が言わなかったって事はあなたが嘘ついてるって事です!!!!」


「言わなかったんじゃなくて、言えなかったんじゃないの?君がそうやって騒ぐから。」


「........騒ぐって。だって好きな人がそういう事したら、やっぱり嫌じゃないですか....じゃあ、あなたは俺があなたの幽助に膝枕しても平気なんですか?」


「別に、たかが膝枕でしょう?それに、君の方が嫌がりそうじゃない。」


「そりゃ嫌ですよ。だって幽助じゃないし。きっとあなたの幽助も嫌だったと思いますよ?それを膝枕くらいって簡単に.....いつもそうなんですか?何か冷たい感じ.....」


「了見の狭い奴だな君は。君だって、膝枕どころじゃないことを、オレの幽助としたくせに。膝枕くらい、今更でしょう?」


「それは....でも俺はあなたの幽助を誘ったりしてません。あなたは誘ったでしょ?何でですか?本当に幽助の事好きならそんな事出来ないのに....俺の了見が狭いんじゃなくて、あなたが冷たすぎるだけでしょ.....」


「何でって…だって気になるでしょう?あんなに姿形が同じで。どんな風にオレのこと抱いてるのかなって、知りたいじゃない。」


「そんなのおかしいですよ.....いくら姿形が似てても違う幽助なんだから、他人と一緒じゃないですか。そんなの知りたくもないし.....あなたの幽助が何だか可哀相」


「他人と一緒ねぇ…。そんな事言っていいの?君の幽助、他人のオレの、それも男の誘いに乗ったってことになるよ?」


「......ねぇ、あなたは本当に平気だったんですか?他人の....俺の幽助を誘う事。知りたいってそんな理由の為だけに、自分の幽助を裏切って....」


「それは…。」

目を逸らせて黙る。


「俺はすごく嫌だった。いくら同じ蔵馬でも幽助が俺以外の誰かを抱いた事......あなだって嫌でしょ?あなたの幽助が俺を誘って抱いた事。あなたの幽助も嫌だったはずだよ。だから、そんな知りたかったからとか軽々しく言わないで下さい!!」


蔵馬、ジッと顔を見つめてからフッと笑う。


「なんだ、君の幽助が異様に過保護にしてるみたいだから、ただ甘えてばかりかと思ってたけど、そうじゃないんだね。……同じオレなのに、オレとは違う、素直な君が羨ましいよ。幽助も、甘やかしたくなる筈だ。」


「じゃあ、あなたも幽助に素直に甘えればいいじゃないですかぁ★」


「……いや、あのね…。」

げんなりと溜め息。


「あなたの幽助も言ってましたよ?甘えて欲しいって。素直に甘えれば喜ぶと思いますよ(^O^)」


「別に甘えてない訳じゃ…。というかオレ、どっちかと言えば甘えて欲しいし…。」


「甘えて欲しいんだ.....あっ!でもこないだは俺が幽助を抱きしめて寝たんですよ(^O^)起きたらいつもみたいに幽助に抱きしめられてましたけど、へへ★」

蔵馬ちゃん幸せそ〜な満面の笑顔。


(どうしよう、もう帰りたい…)

「あ、そう…。」


「あなたの幽助も“もう少し素直に甘えてくれればな〜”みたいな事言ってましたよ?甘えるの嫌なんですかぁ?」


「や、だから別に甘えてない訳じゃ…。それに年下の男に甘えるのってみっともないでしょう?」


「別に年下とか関係なくないですか?そうやってはなっから“年下”だって目で見てると、あなたの幽助も肩身が狭くなっちゃうんじゃないかなぁ......」


「あ、こっちの幽助、そういうこと考えたりする程頭使ってないから。」しれっ。


「.......あの.....こんな事言っていいのか分かんないんですけど....さっきから聞いてたら幽助に対してすっごく冷たい感じがするんですけど.....いつもそんな風に接してるんですか?」


「冷たくしてるつもりないんだけど。普通でしょう?お互いのこと解り合ってたら。」


「でも....あなたの幽助何だか寂しそうでしたよ?“もっと頼って欲しいのに”って.....」


「ふふっ。じゃあ幽助がオレのことを未だ解ってないんだよ。」


「.....またそうやって軽く流すんですね。幽助があなたの事分かってないんじゃなくて、あなたが幽助の事を分かろうとしてないんじゃないですか?」


「君に何が解る?別に君にオレの愛し方を理解して貰おうなんて思ってないよ。オレも君の愛し方は理解出来ないしね。幽助から聞いただけだけど、随分幽助に依存してるみたいじゃない?でもそれって愛してるって言えるのかな?君の世界は幽助を中心に回ってて、幽助の世界も君を中心に回ってるんだろう?肩身の狭い思いをしてるのは君の幽助の方なんじゃない?」


「幽助を中心に考えるのはいけない事ですか?愛し方って言うけど、相手に伝わらなかったら意味ないじゃないですか。あなたの幽助が“頼ってほしい”って言うんだから、年下云々言わずに頼ればいいんですよ。難しい事じゃないのに.....」


「いけないなんて言ってないだろ?理解出来ないと言っただけで。それに幽助に伝わってないなんてどうして君に解る?頼ればいいって簡単に言うけど、君は幽助に頼られてるって言えるのか?」


「........俺は...幽助には多分頼られてはいないと思います。甘えてばっかりだっていうのも分かってるし......でもそれを幽助が不満に感じてるとは思ってません!!幽助、あなたに俺の事“こうすればいいのに”って言いました?」


「頼ってばっかり、甘えてばっかり。不満じゃなくても、それがそのうち幽助の重荷に変わるかも知れないね?君の幽助の性格からして、少しでも君の甘えを疲れたと感じた瞬間、そんな風に思ってしまった自分自身を責めるだろうね。君はそれでいいの?」


「重荷って.....確かに俺は幽助に甘えてるし、頼ってばっかりだけど、それが重荷になるとか考えた事も.......」


「だからそういう所。きっと幽助は重荷になる筈ないって言うだろうけど、本当にそうかな?幽助にも無意識に無理させてるんじゃないの?」


「そう....なんですか....?」


蔵馬ちゃん大ダメージにつきシュ〜ンと萎み中。


「今はいいかも知れないよ?でもこの先もずっと君だけが頼り続けて、ずっと一緒にいられると思う?幽助が離れたら、悲しむのは君でしょう?」


「幽助が離れるのはやだ.......」


蔵馬、頭を抱える。


「あのさ…さっき君が言ったんだよ?幽助を信じてるって。オレが少し何か言った位で揺らぐ程君の気持ちは軽いものなのか?違うでしょう?自分が愛した男を信じなよ。」


「幽助の事はちゃんと信じてるんですよ.....でも... もしかしたら幽助を疲れさせるかもしれないとか考えもしなかった自分がやだ........全然幽助の事考えてなかったのと一緒ですよね.....あなたに偉そうな事言ったくせに....」


「それだけ幽助が君のこと大事にしてる証拠だろ?考えもしなかったのは、幽助にそんな素振りがなかったからでしょう?と言うか、そもそも君の幽助、そんな器の小さい男じゃないだろ。」


「じゃあまだ幽助は俺の事“重荷”だとか思ってないんですよね?.....って、今あなたに信じなよって言われたばかりなのに....また怒られちゃいますね」


ようやく蔵馬ちゃんフンワリ笑顔が戻った様子。


「散々色々言っておいて何だけど、君の幽助は、君一人抱えて生きる位出来る男だと思ったけどね。……違う?」


「....違わないです....幽助と一緒なら何があっても大丈夫だって思ってます/////」


「きっと幽助もそう思ってるだろうね。」


「.....//////(o^∀^o)」


蔵馬ちゃん嬉しそ〜うにヘラヘラ中。


「あっ....そうだ!!あの.....ずっと失礼な事ばっかり言ってゴメンなさい。あなたが幽助の事分かろうとしてないとか......誰よりも一番分かってるのはあなたなのに.....ひざ枕の事が本当は悔しくてつい.....」


「いや…オレも言い過ぎた。すまない。それと…オレといても、幽助は君のことばかり考えてた。だから、安心してくれていい。」


「あなたの幽助も.....あなたの話をする時すごく嬉しそうでしたよ。本当に好きなんだな〜って....あなたの愛が伝わってなければあんな表情出来ないですよね」


「……え?………。そう、なのかな…」


蔵馬、赤面して思わず視線を逸らす。


「あっ!!もしかして照れてます?な〜んだ。あなたもそうやって素直な感情ちゃんと出してるじゃないですか。それを幽助の前でも.....ってごめんなさい!また余計な事を....(>_<)」


ジロっと蔵馬ちゃんを睨む蔵馬。

けれどすぐにフッと笑って立ち上がる。


「ありがとう。もう行くよ。あ、もしまたこっちの幽助が君の所に行くことがあったとしても、あんまり怯えないでやって。強引なところあるけど、君の嫌がることは絶対しないと思うから。」


「はい。あなたの幽助も優しいのこないだで分かりましたから。あの.....俺の幽助がそちらに行ったら.....今度はひざ枕とかはなしですよ!!!」


ちょっぴり蔵馬ちゃんむくれ中。


「お話出来て良かったです。幽助と....ずっと幸せでいて下さいね」


「さぁ…どうかな。君の幽助が魅力的だから、また膝枕以上のことしちゃうかもね。」

クスクス笑う蔵馬。


「君たちも幸せでいて。…オレが、羨む位。じゃあね。」


蔵馬、退室。


「えっ....ひざ枕以上って....ちょっと〜!!!.....行っちゃった......も〜っっっ(>_<)」


納得いかない蔵馬ちゃんはプックリむくれて、しばらくそのままで色々考え中(笑)


fin.
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